こんにちは。塾長です。
女性のための車両として導入された「女性専用車両」。
各在来線の車両の一部が時間を限定されての登場となって久しい昨今、今の状況はどうなっているのでしょうか。
今回はちょっと視点を変えて考察していこうと思います。
女性専用車両

女性専用車両とは、公共交通機関において、女性限定の利用を目的として提供される車両のことを言います。
男性の利用は「小学生以下」「介助人」などの特例を除き、任意協力と言う形で遠慮をお願いしています。
元々は、痴漢や暴力などの「性犯罪」を防止すると共に、そういった脅威から女性を保護する目的で、1912年(明治45年)の中央線に朝夕限定で導入された「婦人専用電車」が始まりとされています。
知られざる女性事情?!
TVで女性専用車両について紹介された番組が複数ありますが、その紹介がネット上で物議を醸しています。
放送は正しいのでしょうか。
メディアというものはその影響力から、デリケートな議題に於いては厳粛に公平性を持つべきなのですが…

放送されたテーマはこちら。
朝から化粧
これはどの車両でもやる人はやるのでは…?
と疑問を抱くところですが、女性専用車両ともなると、化粧する女性が一般車両の比ではないことから、様々な化粧品の臭いが充満すると番組で紹介しています。
想像すればあり得そうな状況ですが、番組放送後に「そんなことない!」とネット上に批判の嵐。
空調が運航中は常に効いていますし、専用車両になる時間は限られていますので、冷静に考えればレアな例なのかな、という気がしてきます。
油取り紙が散乱しているとも紹介されていましたが…

「今は油取り紙が使われることは少ない」

「ティッシュペーパーの方がリアリティありませんか?」
とTwitterでも異論、反論が続々投稿されています。
熾烈な陣取り合戦
これは一見リアルにありそうですが、一般車両でも遜色ないレベルでありますからね。
女性専用車両に限ったことではないと思われます。
「混雑時にハイヒールで踏まれて骨折した事例も」とありますが、これも然りですね。

ブランド物が被ってマウント取り合い
例えば、二つのグループの中にブランド物が同じ人がいて、自グループ内で自分のブランドの自慢をしつつ被った人のブランド物を批判、やがてエスカレートしていって…といった感じでしょうか。
さすがにこれは…どれだけ暇なんだろうかと思わざるを得ないですね。
ここまでくると、番組制作側の臭いが漂ってきそうです。
ちゃんとした取材がされているかも怪しくなってきますね。
周りを気にせずスマホに没頭
これも女性に限らず、またどこにでもありそうなことですね。
マナー違反という点では正すべきことなのかもしれませんが、女性専用車両に限った事ではなさそうです。

「否定派」の意見
女性専用車両に乗らない派の意見がJ-タウンネットの記事に掲載されました。
「私はつり革をしっかりと握らないと電車で立っていられないほど体幹が弱い。女性はそういう人が多く、女性専用車両が揺れると将棋倒しになる。その結果、ハイヒールで踏まれ病院行きになったことも…。申し訳ないと思いつつ、いざという時に支えてくれそうな体格の良い男性の側に行く」
出典: https://news.nicovideo.jp/watch/nw6410466
痴漢被害から守るためにある女性専用車両も、こうまで思われては報われませんね。
しかし、疑問がないわけではありません。
座席の両端のポールや、ドアの両端にも手すりがあり、つり革以外にも掴まれる所はあります。
つり革は、小柄な女性なら掴まり続けるのにはちょっとシンドイかもしれませんが、それならば掴まり易い所を選ぶ方が得策です。
この疑問に答えるかのようなツイートが投稿されていました。
確かにインタビューではなく、名前を伏せたアンケート調査の一回答なわけですから、実態はアヤシイ可能性がありますね。
心無い誹謗中傷
女性専用車両に乗ろうとしたところ、

「あの車両(女性専用車両)に乗るヤツってどう見ても痴漢されないよな」
などといったあからさまな誹謗中傷を浴びせられることがあるようです。
また、言葉までは発しないまでもそういった意味の視線を向ける人も多く、いつしか女性専用車両に乗る事は「自意識過剰な女」であるイメージが強固になり、「冷ややかな視線」が刺さりながらも利用する女性もいます。
そもそも、痴漢被害から女性を守るためにある車両です。そこに自意識もへったくれもないのではないでしょうか。
モラルの欠如はいつの時代も大なり小なりあるものです。また、低モラルな人は自分に自信がない事が多く、それが故に似た者同士の集団を作ります。
そしてその集団はとても強大なネガティブの塊になります。
更に面識がなくても即座に「同類」であることを把握し、瞬く間に連鎖していくのが厄介なところで、その精神的攻撃力は即席にしては強力です。
ですが、女性専用車両は女性のための車両です。堂々と利用していいんです。
「小心者たちの視線など、取るに足らないもの」それくらい思って丁度いいんじゃないでしょうか。
彼らは利用する女性の実情を理解していないのですから。
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炎上報道

ここまで女性専用車両について「炎上」したのは、女性専用車両について特集した番組が一つではなかったからではないかと思われます。
しかも放送内容が使い回したかのように似通っているということに怒りを覚えた人たちからの抗議の結果と言えます。
女性差別
元をたどれば、「痴漢被害から女性を守るため」に作り出されたサービスです。
それがなぜか「男性の目がないと女性ははしたない」といった女性を戒める旧態依然のような内容にすり替わってしまっています。
女性専用車両を利用する女性は「痴漢から逃れるためだけではない」事を女性自身が強く意識する事も必要なのではないでしょうか。
男性差別
女性専用車両は、一般男性を「痴漢予備群」扱いする不条理なもの。
一方でそんな見方をする男性もいます。
ここまでくると、どちらもネガティブの応酬になってしまっているようにも思えてきます。
元をただせば痴漢する男性がいたからの事なので、「痴漢の冤罪に遭わなくて済む」などのポジティブな考えにシフトすることでカドも立たなくなるのではないでしょうか。

まとめ
冒頭でも述べたように、女性専用車両の本分は「痴漢被害対策」です。
女性がもしものときの「安全地帯」的なもので、利用の是非は女性の自由です。
電車は人々の重要な移動手段、大勢の人が利用するものです。そこに差別や蔑みなどはあるべきではありません。
ただ、ミソジニーを助長する「ネタ」にもなることから、被害者になり得る女性を隔離する策で「根本的な解決策ではない」と専門家の間でも懸念があるようです。
いつしか平和に電車通勤、通学ができる状態になる事を切に願うばかりです。