こんにちは。塾長です。
ここ最近、自動車を運転中に遭遇する「ヤバいヤツ」が急増していますね。
ポピュラーなものでは、後ろにピッタリ張り付いて蛇行運転からの無意味なパッシング。
更には「どけ」と言わんばかりにホーンを鳴らすなどして威嚇し、隙を突いては横に並んで罵声を浴びせ、エスカレートしていくと、ムリヤリ前に出てきて急ブレーキで妨害するといった悪質なケースも目立ってきたように思います。
代表的な事件
当然ながら被害者に落ち度がない場合も多く、理不尽な思いを強いられる事となります。
「追い越し車線をタラタラ走っていたのでは?」と、対立意見としてよく挙げられますが、例えそうだとしても、蛇行運転やパッシング、ホーンで威嚇などと言った「煽り行為」をしていい理由はどこにもないのです。
事は2019年8月10日、茨城県の常磐自動車道であってはならない事件が発生します。
猛烈な「煽り運転」の末、正面に飛び出しては急停車して、高速道路の本線に強引に停車させたうえに被害者を5発も殴打する「超悪質事件」が起きました。
その時の被害者のドライブレコーダーの動画はネット上で拡散、ニュースでも取り上げられ、加害者は異例の「全国指名手配」となり、逃亡中(と思われる)の宮崎文夫容疑者(43当時)と一緒にいた「ガラケー女」こと喜本奈津子容疑者(51当時)を大阪で確保という、類を見ない逮捕劇となりました。
この事件を受け、2017年6月に起きた「東名高速追突事故」を彷彿とさせた人も多いのではないでしょうか。
この事件も、石橋和歩被告が煽り行為の末に無理矢理停車させ、押し問答をしている最中、あろうことか被害者車両が大型トラックに追突され、幼い姉妹を遺し両親が犠牲になってしまったという悲しい事件です。
「被害者」にならないための方法
残念ながら、こういった「輩」は全世界に存在し、日本にも一定数います。そう、「明日は我が身」なんです。
では、自分や家族、パートナーが「被害者」にならないためにはどうしたらいいのでしょうか。
ご安心ください。
ちゃんとした対処法があるんです。今回はその対処法を順を追って解説していきます。
早期発見に努める
車を運転していると、「何か変な動きをする車」を見かけたことはありませんか?
それは「輩」の可能性があります。
頻繁に車線変更をしたり、センターラインのど真ん中を走行したり、その際にウィンカー点灯等は無いのが特徴です。
上記のような不審な動きをする車を見たら「まず輩だと思って」車間を開けましょう。
一般道ならルートを変えてみるのもアリですし、高速道路やバイパスなどの一本道の場合は、見えなくなるまで離れるか、サービスエリアに立ち寄るのも効果的です。
つまり、関わらない事が一番なんです。
それでも目を付けられてしまったら…
そうは言っても、毎日意識を高めることは難しいですし、状況的に輩をかわしているヒマがない時だってあるでしょう。
なのでここからは、「いざ」と言うときの為の心構えとして覚えておいて頂きたいと思います。
まず、輩は非常に分かり易く煽ってきます。
「これはターゲットにされたな」
と認識したら、携帯電話のカメラ機能を起動させてください。できれば動画のスタンバイを。
運転中にそう言った操作に自信のない方は、後でもいいので「動画を撮る」ことを忘れずにいるだけでも結構です。
同乗者がいる場合は、同乗者に撮影をお願いするのがベターでしょう。
次に、クルマの窓を全部閉め切ってドアロックし、現在走行している車線から安全を十分確認して路肩に停車します。
ハザードランプを点灯させ、落ち着いて停車させましょう。
この行為が輩にとって何らかの意義を得たものならば、そのまま過ぎ去っていくこともありますが、煽り行為がしつこかったりした場合は、連なって(逃亡を防ぐためだいたい前方に)停車して降りてきます。
輩の車が一緒に停車した時点で警察に通報して下さい。この時に一番重要なのは、
絶対に車外に出ない事 です。
窓を全て閉め切り、ドアロックをかけ、警察に「見知らぬ人に言いがかりをつけられて困っている」旨を伝えればokです。
後は警察のオペレーターの指示に従って、警察官の到着を待ちましょう。
実害はなくても、過去に痛ましい事件が立て続けに2件も発生している以上、警察も動かざるを得ないでしょう。
と言うのも、警察は基本「事件が起きてから動く」組織だからです。当然それでは遅すぎますし、警察の存在意義がないですよね。
なので、既に事件が起こっている体で通報した方が効果的かもしれません。
警察も動いてくれ易くなったとはいえ、到着までのアナウンスが的確かはオペレーター次第になります。
シンプルに「待っていてください」とだけ言われる可能性もありますので、そんな時に出来る有効な対策を2つ挙げます。
カメラ機能で撮影する
撮影対象は相手方の車のナンバー、車種、輩本人。
動画が一番ベストですが、緊張の為にブレを起こすことも考慮して、確実な方で撮りましょう。
失敗しても大丈夫、撮り直ししましょう。それくらいの時間はあります。
「でも、車の名義が違ったら意味なくない?」
大丈夫です。先の宮崎文夫のケースでは、加害車両は某高級外車メーカーの代車で、偽名まで使われて貸し出されていましたが問題なく身元が割れ、逮捕に至っています。
なので、しっかり撮影することが重要です。
エンジンを切らない
わざわざエンジンを切る必要はありません。
エアコンが効かなくなる事で夏場では熱中症のリスクがあり、危険です。
と言うよりむしろ何時でも動けるようにしておくべきです。
と言うのも、ここまでする輩は総じて「好戦的」です。ドアが開けば、ドライバーを引きずり下ろして気の済むまでボコボコにするでしょうし、窓が開いていれば、そこから殴り掛かってくるでしょう。
宮崎文夫の事件がそうでしたね。
「でも、窓ガラスなんてすぐ割られちゃうんじゃない?」
ガラスとは本来割れやすい物として認識されているので、そう思ってしまうのも道理ですが、車の場合は大丈夫なんです。
車の窓ガラスには、通常のガラスの約5倍の強度がある「強化ガラス」が使用されているんです。
加えて、事故などで割れた時に破片が飛び散らないようにする加工がされているのも相まって、閉め切ってさえいれば素手で割るのはかなり難しいので、車内に閉じ籠ってしまえば侵入は容易ではなくなります。
が、道具や石などを使われるとその限りではなくなり、割られます。
今後、そうしたクレイジーな輩が出てきてしまった場合でも対処法があります。
「緊急避難」を行使する
刑法第37条では、
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
wikibooks
前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
と、定められています。
つまり、高速道路の本線上など、「自分が死んでしまう可能性が極めて高い」状況の時に危険を回避しようとして犯した損害は刑罰にしない(若しくは減刑になる)ということです。
考え方的には「正当防衛」と似ていますが、これは飽く迄最終手段である事を心に留めておいてください。
警察の介入で丸く収まるのなら、それに越したことはないのですから。
因みに最後の文面は、警察官や自衛隊員、消防団員など、訓練を積み、危険に対する特別な権限を持っている人達は、堂々と出ていってしかるべき対応(逮捕権等)ができるので、この法律は適用されませんよ、ということです。
ありがちな「もしも」
「類は友を呼ぶ」とよく言いますが、呼び寄せるのはどうやら人だけではないようです。
こう言ったアクシデントに見舞われた時ほど、予期せぬアクシデントが重なってくるものです。そんな時でも冷静に対処したいですよね。
スマホのバッテリー切れ
撮影していて、急に画面が真っ暗になったら肝が冷えますよね。
何も記録できていないのはさすがにマズイので、最低でも上記に挙げた「相手の車のナンバー」、「車種」、「輩本人」は真っ先に撮影して、撮り終えた所で一旦保存すればバッテリー切れの保険となります。
それから改めて輩の所業を記録しましょう。
ここでバッテリー切れを起こしてもまず平常心で、「撮影しているフリ」をしてください。
というのも、輩は撮影されていることで心理的にブレーキがかかっていることが多いのです。
もし撮影を終了してしまえば、侵入を試みるような行動にエスカレートしてしまう可能性があります。
これ以上踏み込ませないためにも、ここは一芝居打ちましょう。
ポーカーフェイスに自信がない方は、車用充電器を積んでおきましょう。コードも1m位の長めのものがオススメです。
番外編 やってはいけないNG行動
こういったトラブルは増加しているとは言え、その対応に慣れている人は極わずかなのが現状でありましょう。
対応を誤れば、事態を悪化させてしまうだけでなく、逆に自分が悪者になってしまったりもあり得ます。
なので、ここでは「やってはいけない事」をピックアップして解説していきます。
車から降りて輩と直接対決
特に男性は、ケンカを吹っ掛けられたら応戦するタイプの人がいますが、これは得策ではありません。
たとえ腕に覚えがあっても、です。輩に対しては、一切相手にしてはいけません。
と言うのには下記の理由があるからです。
- 返り討ちに遭う
- 出ていった自分にも過失が問われる
輩は総じて好戦的です。吠えるだけの小心者もいますが、だいたいアドレナリン全開でケンカを売ってくるので常習しているケースも多いと思われます。
まず話ができる要素は薄いでしょう。
そんな場慣れしている輩を凌ぐ実力を行使したとしても、取っ組み合いになったとしても、応戦した以上「けんか両成敗」として自分にも過失が問われることになります。
どちらにせよ何も解決しませんし、動いてしまった以上、相手の思惑に踊らされたということになるため、後味の悪い顛末になるでしょう。
そうならないためにも、「コノヤロー!」という闘争心をグッとこらえて警察官にお任せしましょう。
とにかく逃げる
これも、気が動転してしまった時にありがちなNGパターンです。
先にも述べたように輩は常習している可能性があり、逃げれば当然追いかけてきます。
そうした場合、逃げ切るのは困難を極めると思われます。
まず、逃げてしまった方の心理状態は、「焦り」「不安」「恐怖」に囲まれ、事故を誘発し易い状態にあり、非常に危険です。
かたや追いかける輩の方は、場慣れしているからか、車を速く走らせる事に長けているケースも多く、更に追跡していく中、怒りの沸点はそのままに段々冷静になって行くようです。
また、輩が悪意によってターゲットにする場合は、自分の車よりスペックの劣る車を狙い、もし逃げられても追跡を容易にさせる確信犯もいます。
なにより、逃げている方はカーチェイスをさせられているわけですから、速度超過や一旦不停止などの道路交通法違反を知らず知らず犯してしまっていることになり、リスクにまみれた逃走劇の行く末は決して良い物にはならないでしょう。
輩の正体
携帯電話やスマートフォンのカメラ機能の普及と、動画投稿の媒体が成長したことによって、宮崎文夫のような悪質な所業が世の中に知れ渡り易くなりました。
しかし、あれだけ世間を騒がせ、ニュースにまでなったにも関わらず、宮崎文夫の逮捕から舌の根も乾かぬうちに今度は「盗難車のベルファイヤーでエアガン発砲事件」が発生します。
煽り事件の直近ということもあり、即座に身元が特定され、無職の佐藤竜彦容疑者(当時40)が知人と共に出頭、逮捕されました。
「輩って、いったい何なの!?」と思っている方も多いでしょう。
実は、彼らは相当深い「闇」を背負った可哀相な人であることが専門家の分析により明らかにされています。
エアガンの佐藤容疑者は逮捕時に薬物反応が出たため、この趣旨からはちょっと外れますが、宮崎文夫、石橋和歩、両人の生い立ちを紐解いてみると、彼らの闇の深さが浮き彫りになります。
宮崎文夫の場合
税理士にして資産家の祖父の一人娘の母に溺愛されて育ち、自分の我が儘がまかり通る環境にあり、もし思い通りにならなければキレまくるという、5歳児と同等の行動をとることは珍しくなかったと言います。
母親も近所では有名な「クレーマー」だったらしく、理不尽な言いがかりに方々怯えていた程でした。
そんな「クレーマー」も、息子の文夫には甘く、かなりの溺愛振りだったそうです。
そう言う育ち方をした場合、脳の感情の制御を司る「前頭前野」という部分の発達が著しく低下し、感情のコントロール(特に何かを我慢する事や耐え忍ぶ事)が出来なくなり、些細なことでキレてしまうようになります。
更に前頭前野は、人間らしくあるための最重要器官であるとも言われ、感情のコントロール以外にも「思考」「記憶の整理」「応用」「集中」「ヤル気」「コミュニケーション」と多数の制御を担当しており、前頭前野の発達低下は、これら全ての機能の低下を意味します。
事実、宮崎文夫は名門で知られる府立天王寺高校を卒業、関西学院大学総合政策学部卒業というエリートコースでしたが、職を転々とし、祖父のコネで入社したところでは、職務怠慢に加え、女性関係でトラブルも起こし、約半年で解雇されています。
このことから、「コミュニケーション」がとれず「ヤル気」はなく「思考」は稚拙になり「集中」できずに職を転々…という構図が見て取れます。おそらく「記憶の整理」や「応用」に関しても何らかの弊害があったものと思われます。
因みに、指定薬物(覚せい剤など)の使用で上記と同様の効果がある事が知られていますが、逮捕時や現在に至っても陽性反応が出た報道はされていませんので、薬物のせいではない事が伺えます。
かと言って彼のしたことは決して許されるものではありませんが、このことを踏まえると彼もまた「被害者」であり、「教育」の重要性を改めて考えさせられます。
石橋和歩の場合
当時26歳と若かった石橋ですが、彼もまた「深い闇」を背負った人物であることが分かってきました。
週刊誌「Friday」の取材によると石橋は、事件から数年前まで地元福岡では寡黙な大人しいタイプで、仲間内では「いじめられっ子の典型」だった、というのです。
Fridayが仲間とされている人物から入手し、公開している画像には、石橋被告の顔面中にヒドイ落書きがされているものや、頭をM字型に刈り取られているもの、モヒカン刈りされているものがあり、ネット上でも物議を醸しています。
この画像を見る限り、人の尊厳を踏みにじるレベルのいじめが横行していたと推察できますが、ここまでのことをされても無抵抗という心の弱さがあったのでしょう。
そのグループから離れた途端、石橋は凶暴化します。
過去、いじめを受けていた人が新天地でいじめる側になる事はよくあるパターンですが、そこに成人、未成年の区別は無いようで、精神科医の和田秀樹氏はFridayの紙面で次のようにコメントしています。
「恥をかかされたり惨(みじ)めな思いをさせられることで、感情の振れ幅が大きくなることがあります。さらに今回の事案もそうですが、イジメられた経験のある人は、自分よりも弱そうな他者に対して高圧的な態度を取ってしまうことがあるのです。イジメにより沁みついた被害者意識で、『自分は弱い存在。その弱さがバレたら、何をされるかわからない』という恐怖心に苛(さいな)まれる。その結果、何とか虚勢を張ろうと攻撃的な態度を取ってしまうのでしょう。今回は、石橋被告のそんな心理状況が引き金となった事件と言えます」
https://friday.kodansha.co.jp/article/25793
いじめグループから離れて、好戦的、威圧的であることが自分の身と精神を守る唯一無二の方法だと考えてしまったんですね。
特に女性の前ではそれが「美徳」であると歪んだ勘違いまでしてしまったんでしょう。
輩は「ソシオパス」!?
「サイコパス」というキーワードは、昔から広く認知されていましたが、脳科学者の中野信子氏の著書「サイコパス」が大ヒットしたことで詳しい実情が知れるようになりました。
それに準ずる形で「ソシオパス」というキーワードも宮崎文夫の事件から徐々に注目を集めています。
この二つは混同されがちですが、実は明確な違いがあります。
あなたの職場にもいませんか?理不尽な人。
「サイコパス」と「ソシオパス」の違い
まず、「サイコパス」が生まれ持った先天性のものであること。
対して「ソシオパス」は育った環境や辛辣な過去による後天的なものであること。
どちらも「反社会性パーソナリティ障害」ではあるものの、サイコパスは賢く、思慮深く、計画性を好み、間接的。
一方ソシオパスは衝動的で、無計画、直接的。「共感性に乏しく、良心が無い」事が共通しています。
俗に言う「DQN」は、上記の特徴から「ソシオパス」である可能性が極めて高いと言って良いでしょう。
サイコパスは先天性のため、更生や改心は期待できないのに対してソシオパスは後天的なものであるため、しっかりとしたカウンセリングを受けさせ、それを基にした更生プログラムを実行させることで改心の見込みはありますが、相応の時間が要されると思われます。
今後、法律の面で「煽り行為」に対する罰則が厳しくなる動きがありますが、処罰が決まったそのあとのことも考えられてしかるべきと思います。
そうでなければ、刑期を終えて出所してもまた同じことが繰り返され、本来ならなくていい被害者が出てしまうのですから。
刑罰など、力ずくの淘汰を進めるより、その人の先を見据えたシステムができないものでしょうか…
人が過ちを犯しても心から立ち直れる社会を願うばかりです。
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