実は気になる?!今更聞けない「車検」のアレコレ、解説します

自動車

こんにちは。塾長です。

車を所有した場合、避けては通れないものが幾つかあります。税金、維持費、事故のリスク…今回は、その中でも「維持費」に該当する「車検」にスポットを当てて解説していこうと思います。

「車検」とは?

「車検」というワードは誰しも聞いたことがあるでしょうが、実際車を所有している人や、車に深く関係している人でないと、イマイチ「ピン」と来ないのではないでしょうか。

車の定期健診のようなもの

では、そもそも「車検」とは何なのか。それは、「クルマの定期健診」のようなものです。

自動車は、「登録」をしなければ公道を走らせてはいけない事が法律で決まっています。これを、「自動車検査登録制度」と言い、略して「車検」と言われています。

これをしないと、法律上公道を走れません。

更に保険などにも入れない上に「トラブルの際は、第三者から何を言われても文句は言えませんよ」的なことになるようです。

「車検切れ」で公道を走らせると…

「事故らなきゃいいんでしょ?」と言う人、まれにいますが、この考えはリスキー極まりないので、やめましょう。

そう言った人がいないか、国土交通省が日々監視しています。国の組織が取り仕切っているので、その捜査網はハイクオリティです。

全国のガソリンスタンド、整備工場、カー用品店に至るまで「車検切れ」車両の情報提供を要請、国土交通省職員の目視パトロールに加え、2018年からカメラでナンバーを読み取り、車検登録情報と瞬時に照合し、車検切れ車両を見つけ出すシステムが導入されています。

このシステム、「Nシステム」と混同される方も多いと思いますが、仕組みや使用目的を公開しているため、Nシステムの秘密性とはちょっと違った区分になりますが、これに引っかかった場合は、かなり痛い目に遭うみたいです。

このシステムの構図は俗に言う「ネズミ捕り」に似た形式で、チェック区間に車検切れ車両が検出されると、数十メートル先にスタンバイしている警察官が赤旗を振りながら飛び出し、停車を命令。目的を簡潔に告げてから安全な場所に誘導し、事情聴取及び取り調べの後、「道路交通法違反」で刑事処分として…

6カ月以下の懲役、または30万円以下の罰金

更に、ドライバーとしての行政処分が…

違反点数6点、免停30日

そして、今乗ってきた車を移動させるのにレッカー移動や車載トラックを手配しなければならず、その費用も上乗せされます。

走ってはいけない車ですからね。

「なんだか囚人みたい…」と悲しまれる方もおられるでしょうが、車検は元々「クルマの安全性を確保、維持させる」ことを目的として1930年に始まった制度なんです。

確かに、制度によって強制的にやらされている感は否めませんが、これだけ多くの自動車の安全性をキープするには、致し方ないのかな、ともとれます。

もし全て自己責任でやるとして、定期的に検査、整備する人の割合はどれくらいになるのでしょうか?

最初はマメにやっても、段々疎かになり、気付けば「ほったらかし」なんてパターンが事故と共に激増するであろうことは推測に難しくないでしょう。

「これも安全のため」位に思った方が、長い目で見て賢明かもしれませんね。

車検の種類

車検には、「検査」と「登録」があり、それぞれ幾つかの種類があります。

「検査」の種類

車検の検査には、大まかに下記のような種類があります。

  • 新規検査:新車を登録する時や、一時抹消された中古車を登録する時に用いられる検査です。この際、登録も同時に行われることが多いです。
  • 予備検査:主に業者さんが使う検査で、当日は検査だけを行い、後日登録する「検査と登録の時間差」を持たせる検査で、契約してから納車までの時間短縮のためによく用いられる手法です。
  • 構造等変更検査:純正の本来ある造りから変更した場合に用いられる検査で、「カスタムカー」や「チューンドカー」など、車体サイズ、重量、乗車人数、排気量などの変更の場合はこれに該当します。
  • 継続検査:使用中の自動車の自動車検査証の有効期限を延長させるための検査で、一般的に「車検」は、この事を指す場合がほとんど。乗用車で2年、貨物車で1年の延長が可能になります。

車検に通ると「自動車検査証」が発行されます。通称「車検証」で、簡単に言うと「この車は公道を走れますよ」という証明書です。

検査には当然、「適合」と「不適合」があり、一発で「適合」させるために事前に整備するんです。不適合となれば、もう一度やり直しな上に検査費用は返ってきませんので、勿体ないですよね。

「登録」の種類

  • 新規登録:新車や未登録の輸入車、一時抹消状態から新たに使用する時に受ける登録。希望ナンバーで登録する事も可能です。(人気の数字列は登録できないケースも有り)
  • 変更登録:自動車登録番号の変更、婚姻による氏名の変更、新居などの住所変更など、所有者(使用者)の身辺が変更した時に受ける登録です。
  • 移転登録:いわゆる「名義変更」で、所有者が変わったときに受ける登録です。これをしないと、いつまでも前オーナーに自動車税等の請求が行くことになります。

抹消登録

登録を取りやめる際にも、「抹消」と言う形で登録が必要です。それにも下記のような種類があります。

  • 一時抹消:一時的に抹消して、レストアの為に保存したり、売却等する際に行う登録で、「ナンバーを切る」と表現されることもあり、新規登録を手続すれば再度使用する事が出来ます。
  • 永久抹消:「廃車登録」とも呼ばれ、自動車の滅失、解体などで再使用しませんよ、という登録。この時、車検の有効期限が残っていれば、残った分の自動車重量税が還付されます。自動車リサイクル法に基づいた解体処理が終了しないと永久抹消登録はされないので注意しましょう。
  • 輸出抹消:中古車として海外に輸出するために行う登録。原則として日本国内で登録は出来なくなりますが、輸出届の取り下げを手続きして、登録識別情報等通知書の交付を受ければ、再度国内での登録が可能になります。
  • 職権抹消:車検の有効期限が過ぎてから3年の間に抹消登録がされていないと、登録地の陸運支局長の「職権」により、所有者に確認の上、永久抹消登録扱いにする事が出来る陸運支局長が行使できる抹消登録。この場合の自動車は、通常の継続車検や、一時抹消登録の手続きをすることで登録を回復させる事が出来ます。

ざっと挙げただけでも結構な種類がありますね。この「検査」と「登録」の組み合わせで車検が行われています。

法律的には、自動車の所有者(使用者)本人が行うとしていますが、手続きが専門的で、不慣れな人には敷居が高いことに加え陸運支局へ自動車を持ち込まなければならず、土日祝日は休場のため平日にしか実行できないことから、車検の為に丸一日スケジュールを開けなければならない事になり、多くの人は代行してもらっています。

車検代行の種類

忙しいあなたに代わって車検をしてくれる車検代行は、大まかに2種類あります。

ディーラー車検

自動車メーカーの販売店に車を持ち込み、車検を依頼すること。最も高額になるものの、信頼性と安心感は他の追随を許さないほど。

業者代行

車検専門業者や、ディーラー以外の自動車販売店で車検を依頼すること。緻密な打ち合わせを行うことで、車検代をディーラーより安くする事が出来ますある程度の知識がある中級者向けの車検と言えます。

ユーザー車検(番外編)

代行という区切りで言うと違ってきますが、所有者(使用者)自ら整備して陸運支局へ車を持ち込み、検査を受けることです。法律ではこのことを指していますが、素人が出来るものでは到底ないため、上級者~プロ向けの車検と言えます。一番安く上がるのもユーザー車検の特徴です。

ユーザー車検を除けばディーラー車検か業者代行に依頼することになりますが、どちらも一長一短あり、自動車オーナーの考え方次第となります。

車検代行、あなたはどっち派?

車検するには、ほぼ二者択一しかないという極論にまでなってしまいましたが、ここで、各車検代行を口コミを交えて解説していきたいと思います。

ディーラー車検の場合

ディーラー車検が最も高額になるのには、理由があります。それは、該当車両の使用状態を分析し、長期的なプランニングを立て、エンジンオイルやスパークプラグなどの現状まだ使える部品も交換するのに加え、次回の車検の時に分析がスムーズに進むように整備内容を見積もります。

利点としては、長期的に見れば初期投資がまとめてできるので、無駄な整備費用を考えなくて済むのと、上記の中で唯一「安心できる車検」であることが最大のメリットですが、「高額」なことがネックになってきます。

ディーラー車検派の意見

業者代行にしても、消耗部品の交換や追加整備などで結局はディーラー車検と同じかそれ以上の出費になる。

整備を依頼すれば、その分だけ工賃が発生する事を考えると、ディーラー車検の方が最初の出費は痛いが、後々楽。

ディーラー車検はメーカーの看板を背負ってるから、一番信頼できる。業者代行は当たりはずれが激しい。

やはり「初期投資」的な考えをお持ちの方が多く見られました。トータルで高品質な車検整備と信頼という付加価値に高い料金を支払う意義を感じている印象を受けました。

業者代行の場合

最も多くの人が選択する依頼先で、車検専門業者や、個人カーショップなどが該当します。次回の車検を見据えたディーラー車検とは異なり、該当車両の使用状態に合わせた整備を見積もるため、ディーラー車検よりも安価に仕上げる事が出来ます。

ただ、現状を正しく理解する程度の知識は要求され、細やかな打ち合わせを煮詰めていくといった「ちょっとメンドクサイ」事になる場合も多く(勿論、スタッフから詳しい説明はされると思いますが)、判断と決断が求められるので、それらをクリアできる対応力と知識と判断力が必要になってきます。

業者代行派の意見

車にこだわりがあるので、現状追っかけの整備になってもむしろその方が愛着が沸く。

ディーラー車検は楽だけど、突発な整備が無いとは言い切れないし、何より自分の納得できる整備をしてもらいたい。

スタッフにもよるのだろうが、客のプランを全否定するディーラーもあると聞く。

そもそも、ディーラー車検ができるお金がないし、車のことを勉強すれば業者も交渉次第で折り合いが付くこともある。

拘り派の人は、納得いく範囲で整備してもらって、例えトータルで割高になっても後は自分で手掛けたいんですね。ちょっと昔気質な感じですが、人情味あふれる「アツい人」が多いのかもしれません。一方、経済的な理由で業者代行を選択する人も多く、自身で勉強して業者と交渉するツワモノもおられるようです。

よくある「勘違い」

「車検したから、後2年は大丈夫さ」なんて言っている人、いませんか? それ、何が「大丈夫」なんでしょうか。

「車検が通った事で向こう2年の安全性が保障されている」勘違いしている方がいます。

車検というものは、『公道を走る上で最低限度の保安基準を満たしているか否か』を確認するものであり、機械としての故障個所、若しくは故障し得る箇所を検査するものではない、とされています。

極端に例えると、車検を通した帰りの道中に故障しても、それは車検とは無関係である、ということになります。

「車検」と言う名前のイメージから、誤解を招いてしまうのもわからなくはないですが、正しい理解というものをしておけば、車に対しての認識も変わりますし、整備の観点からも、安全に対する意識が高まるのも確かでしょう。

「でも、整備士の資格ないけど?」

大丈夫です。整備士の資格を持たない一般の方も、自分の車ならば整備しても良いということが法律によって認可されています。ただし、整備士の資格がないのに他人の車を整備した場合、罰則の対象になることがあります。

車というものは愛好家も多いもので、資格はないものの、好きが高じて有資格者並みの知識と技術を身に着けた人も多くいます。

そんな人たちがボランティア感覚で整備する事例が多発したことも一因として、違法整備車両の横行が2017年の新聞報道で明らかになり、問題になりました。

整備と言うのは、命をリスクから遠ざける大切なものです。技術や知識があっても、専門の機材がなければできない事も少なくありません。ここは是非とも環境の整ったところにお願いしましょう。

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