こんにちは。塾長です。
夜間の運転に欠かせないのが「明かり」ですね。最近は「H・I・D」という従来のハロゲンランプよりも明るいライトが流行っています。
そんな中、後ろのライトが1つ~2つ余計に付いている車を見かけたことはありませんか?
それが「リアフォグランプ」というものです。
今回はあまり知られていないリアフォグランプについて解説していきます。
リアフォグランプとは
「補助灯」の意味を持つフォグランプは、ヘッドライトの周辺にあります。そのフォグランプが後ろにあるため「リアフォグランプ」若しくは「バックフォグランプ」と言われています。
だいたい1つ~2つ付いていて、2つの場合は車体の両サイド、1つの場合は中央部か右側に配置されています。
光量はブレーキ灯と同等、若しくはそれ以上で、オプション設定になっていることが多いようですね。
リアフォグランプの正しい使い方
リアフォグランプの概要はご理解いただけたでしょうか。
次はリアフォグランプの使い方について解説していきます。
リアフォグランプの活躍の場は「超悪天候」
リアフォグランプを使うタイミングは、濃霧などの「前方視界が極端に悪い天気」の時です。
季節にもよりますが、箱根など標高が高めの山道は特に気温の差が激しく、濃い霧が発生し易い場所の一つです。
そんな濃霧に飛び込んでしまうと、まるで雲の中を走っているような状態になり、1m先も満足に見えなくなるでしょう。
当然、前方を走る車のライトは見えにくく、ブレーキ灯がなんとか判る程度です。
道幅、カーブの形、アップダウンと、前を走る車から得られる情報はことのほか多く、それらが遮られ、たまに点灯するブレーキ灯のみでは「プロドライバー並みの瞬発力、判断力、集中力」が要求されることになります。
そこで威力を発揮するのが「リアフォグランプ」です。
使い方を誤れば「超迷惑」&「危険」
冒頭でも触れましたが、リアフォグランプの光量はブレーキ灯と同等かそれ以上です。
それは濃霧な中でも後続車に自車の存在をアピールするためなので、けっこう「眩しい」んです。
なので、霧が晴れたらリアフォグランプを切る必要があります。
もしリアフォグランプを消し忘れてしまうと、後続車が眩しさで事故を誘発させかねないものとなってしまいます。
対向車のハイビームなら、すれ違うまでの辛抱ですが、前の車のリアフォグランプだとしばらく付き合わねばなりません。
「リアフォグランプの消し忘れ」には要注意ですね。
リアフォグランプ対策
ごくたまに、霧でも雪でも大雨でもないときにリアフォグランプを点灯させている車がありますが、「わざと」か「うっかり」のどちらかであろうと思われます。
どちらにしても、「ライトが付いている」だけのことですので、何らかのシグナルを発して無用なトラブルを招くのもバカバカしいですよね。
なので、必要ない時にリアフォグランプを付けている車の後ろについてしまった時の対処法を2つ挙げておきます。
①車間を開ける
これは一車線一本道の道路では有効です。おそらく、不自然な位離れることになるでしょうが、安全を確保するためにはやむを得ないでしょう。
②ルートや車線を変える
一般道ならルートの変更、複数車線がある場合は、車線変更が効果的です。とにかく、その車の「真後ろ」につかなければ、眩しさの被害は避けられます。
リアフォグランプの位置が「右側」なワケ
リアフォグランプが2つある車両の場合は配置に疑問はありませんが、1つタイプの場合、ほぼ全てが「中央」か「右側」についています。
「言われてみれば…」なんて方も多いかもしれませんが、それにはちゃんと理由があったんです。
「日本が左側通行」だから
左側通行に統一されている日本では、道路の右側に対向車線があります。これが霧で視界が遮られると、瞬間的に灯るブレーキ灯では連続した道幅の把握が困難になります。
そこで、ブレーキ灯が常に点いているのと同等のリアフォグランプが右側にあれば、センターラインを予測し易くなります。
ベテランドライバーは、リアフォグランプを基に予測したセンターラインと、間近にチラッと見えるセンターラインを繋いで、「答え合わせ」をしながら走ることを無意識にしているんだそうです。
右側通行の欧米などでは、シングルタイプのリアフォグランプは「左側」にあることから、この考えは世界共通と言えるでしょう。
また、リアフォグランプが中央配置の場合は、車の動きが把握し易く、照射範囲も広めなので、道幅の予測が立ちやすいとされています。
因みに、中央配置か右側配置かは、たまに灯るブレーキ灯で判断が可能です。
まとめ
リアフォグランプは、あまり知られていないマイナーなパーツですが、視界が極端に悪い悪天候というシチュエーションでは、追従車両に安全と安心感を、自車には追突防止の効果が期待される「隠れた名わき役」的な存在です。
霧の中を走る人は全体で見れば少数派かもしれませんが、もし、濃霧の中を走る時にこの記事を思い出して頂けたら、きっとセーフティドライビングの一助になるでしょう。