オイルの表記はどう読むの? 車に最適なオイルの選び方とは

自動車

こんにちは。塾長です。

皆さんはオイル交換、やってますか?

一定の交換サイクルがあるものの、法的強制力がないために「ほったらかし」状態なケースもあるかもしれませんね。

しかし、それは車の健康にとって非常によろしくありませんので、「ドキッ」とした方は、今日からでも意識していく事をお勧めします。

オイル表記の読み方

まず、一口にオイルと言ってもピンキリで、多くの種類があります。

細かくしていくと文字数がエライ事になるため、ここでは広く普及している「ガソリン車」に対応したものを解説していきます。

車両パーツの量販店やホームセンターなどでよく見かけるオイル缶には、上記画像のような表記があります。これは、そのオイルの性質を表しているものです。

例えば、10W-30のうち、「10W」は冬場での性能を表していて、この数字が小さい程硬くなりにくく、冬場の得意なオイル、ということになります。

残りの「30」は、夏場や実走行レベルでの性能を表していて、数字が大きいほど高温になってもサラサラになりにくく、高温でも金属摩擦を保護できるオイル、ということになります。

オイルの性質

上記の数値の組み合わせで、「冬場が得意なオイル」なのか、「夏場に強いオイル」なのかが判別できます。

例えば、「0W-20」は、冬場でも硬くなりにくく、夏場の高温時にもサラサラになり易いため、「燃費性能を意識したオイル」であることから、「エコカー向けのオイル」と言えるでしょう。

反対に、「10W-50」ともなれば、冬場はそこそこの硬さを確保し、夏場や走行時でも硬さをキープでき、「燃費性能は落ちるものの高負荷でもピストンを保護できるオイル」となり、スポーツカーにピッタリのオイルということになります。

が、まで「目安」なので、メーカーによっても差がありますし、体感的には大差なく感じる事もあるということを前提としていただければ、と思います。

車種別に見る最適なオイル

オイルの概要はご理解いただけましたでしょうか。次は車種別に見た、具体的なフェーズに参りましょう。

残念なことに、オイルは「高ければ良い」というモノではありません。

それぞれの車種に合ったものでなくては、どんなに高い高級オイルでも、その車の「持ち味」を活かしきれない可能性があります。

とは言え、選択幅がシビアなものではないので、車種とオイルの「相性」くらいの感覚で参考になればと思います。

ハイブリッド車~軽自動車

この部類に最適なオイルは、「0W-20」などの「柔らかいオイル」です。

数ある種類の中でも「燃費」に特化したタイプの車には、柔らかいオイルが最適です。

特にハイブリッド車は、電気モーターがエンジンをアシストしているため、少ないエンジンパワーでも十分な出力を確保できます。つまり、効率が良いためオイルが熱くなりにくい特徴があります。

加えて、ハイブリッドは「エンジン+モーター」、「エンジンのみ」、「モーターのみ」を頻繁に切り替えながら走っています。それだけ「エンジンのON/OFF」が激しいハイブリッド車は、エンジンの始動性がスムースになるオイルが最適というわけです。

軽自動車も排気量が「660cc未満」という縛りのため、堅いオイルたど始動性の悪化や燃費の悪化につながります。ただ、「ターボ仕様」の場合は、少し硬めでも有りでしょう。

コンパクト

排気量1,000cc~1600ccのコンパクトカーは、基本「0W-20~5W-20の柔らかいオイル」で支障ありませんが、「スポーツ指向」な車種の場合は別物と考えた方が良いでしょう。

スズキのスイフトスポーツなどの「ターボ仕様」や、HONDAのシビックtype-Rなどの「NA(自然吸気、いわゆるターボ無し)でも高回転まで回るエンジン」はピストンが過熱し易い条件にあると言え、柔らかいオイルだと熱に耐えきれず蒸発してしまい、最悪「エンジンブロー」となってしまうリスクがあります。

普段使いでそんなに飛ばさないよ。

という場合でも、ハイパフォーマンスなエンジンにはそれに準じたオイルを入れるべきなのですが、柔らかいエコカー向けオイルを入れる場合は、交換時期を早めるなどの必要性があります。

セダン~ステーションワゴン

世界的に見てもスタンダードな車が「セダン」です。

そのため、一番選択の幅が広いと言えるかもしれません。

例えば、秋口から冬には「柔らか目のオイル」、春先から夏場は「硬めのオイル」と使い分けるやり方もありますし、オールシーズン対応する「10W-30」などに絞るのもアリでしょう。

ライフスタイルで絞り込んで良しな所ですが、これもスポーツ指向のタイプは硬めのオイルがオススメになります。

これはセダンからの派生であるステーションワゴンにも共通していますが、「荷物が多く積める」ことから、車の負担が増す要素があるので、その点は注意しておいて損はないでしょう。

スポーツ~SUV

エンジンが大きく、パワーがあるため、ピストンを動かす力があるスポーツカーは、硬めのオイルが必然的なチョイスになります。

パワーがあるということは、それだけ熱量も多く発生するため、高温でも粘度を確保して摩擦熱からピストンを保護できるオイルが望ましい、ということになるので、基本「スタンダードなオイル」から「硬めのオイル」がおススメになります。

タイプは違えど、トリッキーな道でもグイグイ進む、逞しい走りのSUVも同様に硬めのオイルが適正となりますが、最近ではHYBRID仕様のSUVも出てきています。

その場合は、「5W-40」のような始動性が良く、且つ高温でも粘度を保てるオイルが良いでしょう。

ミニバン

エンジンパワーに対して車重が重いミニバンは、5W-20~10W-30の「初動性能が良いオイル」がおススメです。

というのも、車重の割には必要十分程度のエンジンパワーであることが多く、1BOX型のミニバンは特に顕著けんちょですが、人や荷物がたくさん乗った時にパワーダウンがいちじるしいケースがあるからです。

重たい物を転がす時は最初に大きな力を加えないと動きません。しかし、一度動いてしまえば、重さが勢いになってくれるので意外と力は必要なくなってきます。

「始動性」の良いオイルでスタートする力の抵抗を少なくすることでエンジンの回転ロスを押さえ、燃費にも貢献し、走行に際して過大な出力は不要なことから、オススメとさせていただきました。

ちなみに長距離巡行することもある場合は、粘度の変化幅が広いタイプが良いでしょう。

若しくは、冬は「0W-20」、夏は「5W-30」などと使い分けるのも有効です。

オイル交換のススメ

車の構造は、我々生物の「生きるシステム」とよく似ている、と言われていることをご存じでしょうか。

例えば、エンジンは心臓、ガソリンは食事、タイヤからサスペンションに至っては「足回り」と表現され、車を真正面から見た状態を「フロントフェイス」と言われていたりします。

その中でオイルは何に相当するかと言うと、「血液」です。

生物の血液は循環し、古い血液は体の外へ排出され、新しい血液が生成されていきます。この一連の流れはオイルにも当てはまり、古いオイルは「オイル交換」によって新しい血流を生み出し、車の性能を十分に発揮するに至ります。

それが古いオイルのまま手付かずでいることは、役目を終えて排出されるべき血液がずっと体を巡っていることと同じで、いつか想定外の病気トラブルに見舞われるリスクがどんどん高まりますよね。

それを防ぐ側面も、オイル交換にはあるのです。

オイル交換の目安と注意点

「3,000キロ走った」か「3カ月経った」のどちらか早い方で交換というのが一般的に言われているオイル交換の目安です。

が、ここで注意するべき点が2つほどあります。

一つは、普段使いしているのに加えて、「長距離を走った場合」や「使用頻度ひんどが増えた場合」が含まれるケースです。

程度にもよりますが、普段より車が活躍した時は交換時期を早めた方が安心です。重篤じゅうとくなトラブルに即発展するケースはまれではありますが、頭の片隅に置いておいて損はないでしょう。

もう一つは、「汚れた色と交換時期はリンクしない」ということです。

立ち寄ったガソリンスタンドや、車用品の量販店などで「無料点検」と称して点検を受け、交換して間もないのにオイル交換を勧められたことはありませんか?

その理由が「オイルが汚れている」といったものであることが大半ではないでしょうか。

実は、オイル交換してすぐでも「汚れた色」は付くんです。さらに、そのスタッフが言う汚れは、本当の汚れではなく、「汚れた色」のことを指している場合があるんです。

オイルの循環するサイクルは、まずエンジンの下にある「オイルパン」という受け皿にオイルは溜まっています。

エンジンが始動すると、オイルポンプがオイルを吸い上げ、「オイルエレメント」と呼ばれるフィルターを通してエンジン内部を巡り、オイルパンに戻るを繰り返しています。

オイル交換をした場合、3分程度のアイドリングを行うため、その際に汚れた色が付きます。

例え新車でも実走試験が複数回行われるので、汚れた色は付きます。

愛車のオイルの交換頻度を把握していることが前提となりますが、もし「色」だけでオイル交換を勧められた場合は、かなりの確率で「販促」の可能性がありますので、キッパリ断る事も必要です。

ですが、本当に「汚れている」のならオイルエレメントの未交換他のエンジン異常を疑う必要があります。

オイルエレメント

オイルと付随して交換案件なのが、「オイルエレメント」です。

エンジンが始動して最初に通過する「フィルター」で、オイルが循環するごとにカーボンスラッヂなどの不純物をろ過する働きがあります。

一般的には、2回目のオイル交換の時に一緒に交換するのがタイミングとされています。通常の使用頻度で6,000キロ、半年の早い方で交換、ということになりますね。

まとめ

今回は車の健康に欠かせないオイルについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

  • オイル表記には「冬場の性能と夏場、走行時の性能」が記されている
  • 数字が小さいほど低燃費向けのオイル
  • スポーツ指向の車種や大パワーの車には数字が大きい硬いオイルがオススメ
  • 車の構造は我々生物の体の仕組みに似ている
  • なので、メンテナンスをしないでいると病気トラブルのリスクが高まる
  • 特に車が活躍した時は交換時期を気にすべし
  • オイルが汚れているからといって必ずしも交換時期ではない
  • オイルエレメントは2回目のオイル交換と一緒に交換するのが一般的

車を所有するに際して基本的な事ですが、このことを心得ているだけでも車の「持ち」は違ってきます。

素敵なカーライフを担保する意味でも、是非愛車を労わってあげてくださいね。

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