こんにちは。塾長です。
ついにこの記事が書ける日が来ました。「走りがスゴイ車」ランキングです。
元走り屋としては、懐かしくもアツいものがこみ上げてきますが、そこはグッとこらえていこうと思います。
暴走しないように気を付けますので(笑)、どうか最後までお付き合いください。
「走りがスゴイ車」ランキング1位~5位
早速ランキングにまいりましょう。
今回はもったいぶらずに1位から発表します。
1位【三菱】ランサーエボリューション/【スバル】 インプレッサWRX
走りがスゴイと言えば、「ラリーカー」ですよね。爆走、滑走、仕舞にはジャンプまでするワイルドなレースです。
そんな世界規模のラリー最高峰「WRC」で活躍する2台が1位です。
「どっちかにしろよ」とツッコまれそうですが、これはとても甲乙つけがたい!
私情が入るのなら、ランエボが1位になります。(私の愛車でしたので( ^ω^)・・・)
「WRCの宿命のライバル」で有名な2台ですが、両者とも「排気量2ℓ」「ターボエンジン」「4WD」という完全武装で、遂にはエンジンパワーの国内自主規制枠「280ps」を達成し、長年にわたりしのぎを削ってきました。
彼らの魅力は、何と言っても「ラリー譲りの走り」ですが、「ミドルサイズ最強」のスペックも見逃せないポイントとなるでしょう。
乱暴な言い方をすれば、エンジンパワーは排気量を大きくすれば強くし易いと言え、ターボを組むことでさらにハイパワー化は容易になります。
ですが、この2台は2ℓというミドルクラスの排気量で「280ps」、つまり販売できる国内最大の出力値をひねり出しているんです。
車造りのこだわりと言うか、職人魂を感じる人は少なくないでしょう。
2位 【日産】GTR
日産が誇る「化け物級マシン」です。
「スカイライン」という車をベースに、特別仕様として造られたのがGTRの始まりでした。
「グラン ツーリスモ レーシング」の頭文字を与えられ、レースで勝つことを宿命づけられたマシンとして数々のレースで勝ち星を上げたことで注目の的となります。
当然のように市販化が決まった時は即完売と言う異常な人気を博していました。
現在ではスカイラインから独立し「GTR」という個体として、HONDAのNSXに次ぐ「和製スーパーカー」の仲間入りを果たしています。
なので、お値段もスーパーです。
3位 【Mazda】RX-7
「孤高のロータリースポーツ」と言えば、RX-7です。
この車のエンジンは、「ロータリーエンジン」という普通のエンジンとは全く違うエンジンを積んでいます。
画像中央部の三角形のパーツが回転することで動力を得ています。
一般的に知られている普通のエンジン(レシプロエンジンと言います)とは全く違うものであることがおわかりいただけたでしょうか。
この機構では、Aのパーツが一回転することが、レシプロエンジンの上下運動一回分にあたり、画像のように一回転する間に3回の爆発、排気、吸気、圧縮を行っています。
実はこのエンジン、メリットとデメリットが非常にはっきりとしたエンジンといえるんです。
そもそもマツダが「レースで勝つために創り上げたエンジン」なので、
- エンジンの回転ロスが最小限にタイヤまで届く
- エンジンの大きさがコンパクトなので、フロントの軽量化に貢献
- 特殊なエンジンのため、自動車税が「単室容積×ローター数×1.5」として計算されるため、2600ccクラスのエンジンでありながら2000ccクラスの自動車税額
これらがメリットとして挙がります。
対してデメリットは
- 構造上、燃費が極悪
- パーツ点数が少ない分高価で、車検やメンテナンスが高額
- レシプロエンジンの3倍の仕事をしているため、エンジン寿命が短命
- オイルクーラーが標準で付く程、オイル管理がシビア
と言った感じで、利点、不利点がハッキリしています。
因みに、1971年に「サバンナ」(RX-7の前身モデル)がデビューと同時に参戦した「第6回富士ツーリストトロフィーレース」で、かのハコスカGT-Rに勝った経歴があります。
4位 【TOYOTA】MR-2
その名の通り、ミッドシップレイアウトのスポーツカーです。
エンジンが後ろにある2シーターという「ピュアスポーツカー」は、現在貴重な存在となるのではないでしょうか。
「F-1」や「カート」と同じレイアウトのため曲がり易く、カーブの続く峠道は得意分野です。
しかし、走行力学やミッドシップ特有の「クセ」を感覚でわかっていないと、スピンのリスクを高めることになるでしょう。
フロントの軽いミッドシップは、カーブ手前で如何に「前過重をかけれるか」がキモになってきます。
こういった論理を理解し、実走の経験を積んだ時は、とても気持ちよくカーブを曲がってくれるでしょう。
5位 【HONDA】シビック/インテグラtype-R
残念ながら、スポーツカーには明確な定義は存在しません。
そこをホンダは鋭く突いてきたんです。
スポーツカーと称するものは、駆動方式をFR、MR、4WDが殆どを占めていました。
そんな中でこの2台は、「type-R」という走りに特化したグレードを与えられたモデルでありながら、一般向けに採用例が多いFFでスポーツカー界隈に飛び込んできました。
FF(フロントエンジン、フロントドライブ)は、直進の安定性が高く、曲がり方もマイルド(アンダーステア傾向)なことから標準的なドライバー向けに採用され、「攻める走り」は苦手とされてきました。
そこをホンダは、独自の「v-tecエンジン」と「デュアルアクシス ストラット」というサスペンション技術で武装し、FFであることを疑うような走りをみせ、人気を獲得していきました。
まさに「メーカー純正チューニングマシン」ですね。
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【TOYOTA】AE86 レビン/トレノ
昭和の名車と言えば、まず名前が挙がるのが「レビン/トレノ」(通称ハチロク)ではないでしょうか。
「ドリフトキング」の異名を持つプロレーサーの土屋圭市氏が惚れ込んだ車として所有し続け、「自分がドリフトを極められたのはAE86のおかげ」と語っていることからスポーツカー愛好家の注目を集めます。
その後、実車を題材にしたコミック「頭文字D」がベストセラーになったことで更に知名度が跳ね上がった、当時としては珍しいケースです。
1.6ℓのFR(フロントエンジン、リアドライブ)というライトウェイトスポーツで、ノーマルこそ「普通の車」なれど、素性の良さからチューニングという自分好みにセッティングすることで「運転する楽しさ」「いじる奥深さ」を体感でき、爆発的な人気を得ました。
そのチューニング次第では、サーキットをアクセル全開でぶん回せるポテンシャルを持っていたというから、ある意味恐ろしい車だったんですね。
雨の富士フレッシュマンレースで、土屋圭市氏がアクセル全開ドリフトをやってのけ、「ドリフトキング」の異名が付いたのは有名な話です。
【日産】180SX
S13シルビアの姉妹車として知られるハッチバック・クーペです。
2ℓのFRでミドルクラススポーツの部類ですが、ノーマルではアンダーステアが強く、チューニングは必須でした。
パーツの多くがS13シルビアと共通で、アフターパーツも豊富なことから「ドリフトマシン」として高い人気を集めた事でも知られています。
また、あまりに共通のパーツが多いからか、フロントはシルビア、それ以降は180SXという「シルエイティ」なる車がショップのデモカーとして造られ、そのスタイリッシュなフォルムが人気を呼び、遂にはメーカーから500台限定で新車が造られました。
因みに、逆パターンの「ワンビア」も存在しますが、メーカーの純正車両ではなく、「顔面スワップ車両」扱いになります。
【日産】パルサーGTI-R
1.6ℓクラスのボディに2ℓターボエンジンを詰め込み、4WDで武装。
この要素だけで、この車が何を想定しているか、お判りでしょうか。
そう、WRCです。
コンパクトなボディにハイパワーエンジンの組み合わせは、ラリーにおいて強力な武器になり得ると考えられていました。
が、改造範囲の狭い「グループA」での参戦が仇となり、競技車両としての問題が露呈してしまい、ついには撤退を余儀なくされてしまいました。
しかし、そのポテンシャル、素性は当時の2ℓクラス最速を誇っており、「GTRキラー」とまで言わしめた名車です。
消えゆくには余りに惜しいものであります。
そのため、ハイパワーに定評のあった「SR20DETエンジン」をコンプリートエンジンのように見立てる「エンジンスワップ」がプリメーラなどのSR20系エンジン搭載車オーナーの間で流行しました。
【三菱】GTO
グレートティーチャーではありません(笑)
三菱お得意の「ゴリマッチョ系クーペ」がGTOです。
一見して大排気量FRマシンかと思いきや、FFベースの4WDなんです。
2トン近い車重でありながら、それをものともしないパワー、ボディ剛性、強力なブレーキで戦闘力を高めた走りは豪快そのもの。
そのためレースでは、当時最強を誇っていたGTRに対抗できるマシンとして互角の勝負を展開し、「直線ではGTR」「コーナーのGTO」と称されるほどでした。
1990年のデビューから2001年の生産終了まで、実に10年以上にわたって豪快な走りでファンを魅了してきたGTOですが、一度もモデルチェンジされなかった悲運の車でもあります。
デビューから供給されていたディアマンテのプラットフォームを使い続けてしまった事と、低迷するモータースポーツ人気の諸事情も重なり、豪快な走りとは裏腹に、静かに身を引いていきました。
【TOYOTA】チェイサー
落ち着いた「ナイスミドル」が乗ってサマになる高級4ドアセダン。
クラウンや兄弟車のマークⅡ、クレスタと並んでもその印象は通用するチェイサーですが、実は「羊の皮をかぶった狼」であることを当時の走り屋達は見抜いていました。
というのも、「ツアラーV」というグレードには5速マニュアルが設定され、ターボエンジンが搭載されていることから、FRの駆動方式も相まって、
「これ、走りもイケんじゃね?」となったのが発端と思われます。
実際、1997年に全日本ツーリングカー選手権に参戦していますし、かの土屋圭市氏がドライブしたマシン「ADVANチェイサー」が横浜ゴム新城工場に展示されています。
そんな経緯もあって、チェイサーの「ツアラーV」用のアフターパーツが数多く出回り、「ドリ車」として状態の良い物は今でも高値で取引があるというから、驚きですね。
速く走るだけが「スゴイ」ではない~番外編
「走りがスゴイ」と称してまず「速い走り」のカテゴリーで紹介してきましたが、他にもスゴイ走りはないのでしょうか。
ということで、別枠のスゴイ走りをする車を紹介していきます。
悪路走破性【三菱】デリカ、パジェロ
レースという括りで言えば同義かもしれませんが、この2台は「知る人ぞ知る」名車です。
現在は旧称ですが、パリ・ダカールラリーというレースをご存じでしょうか。
アスファルト舗装されていないコースを競うレースを主に「ラリー」と言いますが、その世界規模のラリーがパリ・ダカールラリー、通称パリ・ダカです。
国をまたぐほどの距離と、砂漠地帯などの厳しい環境での競技で、死者も出てしまっている事から「世界一過酷なレース」と言われています。
かつてこの2台は、パリ・ダカールラリーに参戦し、7大会連続優勝という輝かしい成績を残しています。
「全ての完走者が勝者である」という参加者全員の共通認識が生まれる程、競技の過酷さがうかがい知れる中、この功績は「偉業」と言ってもいいくらいですね。
市販車でも、45度の急こう配を余裕で上がっていく実力です。
彼らの「悪路走破性」のレベルは、パリ・ダカのお墨付きというわけです。
こちらの記事↓でも詳しく解説しています。ご興味のある方は併せてどうぞ。
異次元の静寂性【TOYOTA】プリウス
最後に、最先端の技術が生み出した新しい「走り」を紹介します。
それが「静寂性」。
車は、エンジンを始動させてからは様々な「音」が発生するモノとして認識されてきました。
しかし、「ハイブリッドシステム」という全く新しい技術の登場で、電気で走る時は音が微細になるという、それまでの常識を覆すほどの現象が起きたんです。
事実、ハイブリッドカーはタイヤの転がる音、ワイパーの動く音、クラクション以外の音はほぼしません。
その静かすぎる走りが仇となり、遊びに夢中になってしまっている子供や、耳の不自由な方との接触事故が頻発し、問題となったため、低速での電気走行時には独特な音をわざと出すように改良されています。
燃費性能がガソリン車の比ではない程優秀なことで知られていますが、「静かさ」という新たな価値も提案しているようにも思えます。
実は、プリウスは「super-GT」というレースで優勝しているんです。
もちろんレース用にチューニングされていますが、ハイブリッドカーでの優勝は史上初なんだそうです。どんな音だったんでしょうね。
まとめ
走りがスゴイ車をランキング形式で紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
やはり有名どころが上位に連なっている結果となりましたね。
個人的にはもっとアツく語りたいところですが、暴走して文字数がとんでもなくなってしまうので、自粛しました。コロナだけに(笑)
この記事が少しでも面白いと感じて頂けたら嬉しいです。