こんにちは。塾長です。
新車購入の時に担当営業マンから勧められる「オプション」、どれも魅力的なものばかりですよね。
ですが、ちゃんとした「取捨選択」が出来る人は少数派なのではないでしょうか。
某ディーラー営業マンの話では、「ほとんどの方がオプションを含めた総額から消去法で詰めていき、最終的に1つから2つに落ち着いています。」だそうです。
私、塾長もこのタイプでした。
このやり方だと、「金額」でしか判断していない、ということになり、そのオプションの「ユーザー視点の価値」を正しく理解できなくなる可能性があります。
今回は、新車購入におけるオプションのオススメと、その理由まで深掘りしていこうと思います。
オプションの種類
オプションには大別して2種類があります。
それが「ディーラーオプション」と「メーカーオプション」です。
名前くらいなら聞いたことあるけど、説明しろと言われるとチョット自信ないなぁ…
という方も多くおられるでしょう。
まずはそれぞれの特性を理解していないと、「本当の価値」を見い出せないままオーダーから外してしまい、ある種勿体ない「残念な結果」となってしまいがちです。
今回は、そうならないための第一歩として学んでいただきたいと思います。
後付け可能な「ディーラーオプション」
これはディーラー(販売店)が担当するオプションで、フロアマットやドアバイザー、エアロパーツなど、品数は多いものの小~中規模のものが主になる特徴があります。
納車された後でも取り付けできるのがディーラーオプション、という理解でいいと思います。
最近では、ナビシステムがディーラーオプション、最新型高性能ナビがメーカーオプションになるケースも多くなっています。
後付け不可な「メーカーオプション」
これは車を製造する段階から工程が組まれるもので、製造ライン上でしか装着できないことが条件としてあるため、中~大規模なものが中心となります。
造り出したらキャンセルができないのがメーカーオプションです。
サンルーフや、パールホワイト塗装、サイドエアバックなど、大掛かりなものばかりなため、車自体の「グレード」としても通用しそうな感じがあります。
実際、「最上級モデルは標準装備」とされるケースもあるように、オプションの単価が高いのも特徴としてあります。
また、車に直接取り付ける装備のため、車両価格が加算され、それに伴い自動車取得税率も上がる特性を持っています。
オプションのススメ
オプションの概要はご理解いただけましたでしょうか。
次に「オプションのススメ」として、どんな基準で、何をチョイスすれば良いかを切り込んでいきます。
「メーカーオプション」であること
先にも述べた通り、オーダーが決定した時点で「待った」が効かないのがメーカーオプションです。
ですので、付けてからの「しまった」、付けなくて「しまった」、両パターン有り得るということを念頭に置く必要があります。
そうした上で、まずは「メーカーオプション」から思案を巡らせるのがセオリーでありましょう。
不評な「メーカーオプション」もある
実は、「つけたけど、全然使ってない」、「つけたのは失敗だった」といった「不評なメーカーオプション」もあることを知っておいて損はないでしょう。
例えば、「サンルーフ」。
天井にガラス窓があることで解放感があり、走行中に開ければ、より多くの走行風を取り入れられ、エアコンの使用頻度が下がる利点があります。
が、真夏の炎天下には車内に熱がこもり易く、エアコンの効きも悪くなるため燃費が悪化するケースが挙がっています。
また、サンルーフの閉め忘れで雨が車内に入ってしまった例もあることから、これらは「善し悪し」になってくるのではないかな、と思います。
「ディーラーオプション」にも付加価値がある
では、ディーラーオプションはディーラーが儲かるだけでチョイスする価値はないかと言えば、そうでもありません。
実は、ディーラー側の裁量で決めることができるため、「値引き交渉のカード」としての効果があるんです。
最終値引きの段階で想定していた値引き額に届かなかった場合、
「これ以上のお値引きは致しかねますが、代わりにディーラーオプションのフロアマットをお付けする事でいかがでしょう?」
と、担当営業マンから持ち掛けられる事もあるようです。
また、GT-Rやベルファイヤーなど、車両自体がブランド化していたりする場合、単体として別の売買ルートで高値がつくことがあります。
例えば、「GT-Rのシフトノブがメルカリで高値がついた」などといった感じです。
おすすめメーカーオプション
オプションに関しての考え方は参考になりましたでしょうか。
次は、具体的にどのオプションを攻めるべきかを解説していきます。
パール塗装
パール塗装がオプション品であることは意外かもしれませんが、「特別塗装色」とカタログには記されており、従来の塗装とは別格であることを示唆しています。
近くで見ると、粉砕した真珠を混ぜて塗装したかのようなゴージャスな光沢が特徴で、別料金になるにもかかわらず安定した人気があります。
私の過去記事↓で詳しく解説していますが、パール塗装のメリットとしては
- 見た目が高級感たっぷり
- リセールバリューが安定
- 意外と高耐久
上記の3つが挙がります。
また、現在では「ホワイト」以外の「パールカラー」が出始めています。その車のイメージカラーになっている場合もあり、見逃せないポイントとなってくるでしょう。
ナビシステム
これはディーラーオプションの純正品設定もあるものの、別口でメーカーオプションとしてナビシステムが設定されているものを言います。
純正品と違い、有名メーカーの最新ナビシステムが同じく有名音響メーカーのサラウンドシステムとセットになっている事が多く、ETCやバックモニターと連携しているのも特徴です。
つまり、このメーカーオプション一つで「ナビ」「音響」「ETC」「バックモニター」が揃うというわけです。(メーカーの設定によって違いあり)
個別で付けようと思えばできなくもないですが、付属品や接続方法などを調べたりといった手間がかかり、ましてやユーザーが取り付けを行うのであれば、電装の知識がある程度要求されるので、万人向けではないと言えるでしょう。
後付けする手間やリスクを考えれば、ディーラー施行の確実性を買う価値は十分にあると思います。
また、ローンを組む場合で言えば、後付け施行は車のローン+後付け施行料がかかるので、月々の返済額が増えてしまいます。メーカーオプションはその車のローンに組み込まれるため、毎月の負担額を抑える事が出来ると言えるでしょう。
自動ブレーキシステム
高齢者ドライバーによる「ペダルの踏み間違い事故」が多発してきたことを背景に開発された安全装備の一つです。
車速に対して障害物(前方車両など)にぶつかる危険をセンサーが感知し、自動でブレーキするシステムとなっています。
現在は、メーカー独自の安全基準に則った「安全システム」として、複数のシステムがセットになっていることが多くあります。
「全車標準装備」になっていることもあるため、チェックを入れて損はないでしょう。
クルーズコントロール
これは高速道路などの、「単調な走行が長時間続く」場合に重宝される設備です。
あらかじめ速度を設定することで、スイッチを入れれば、アクセルを踏まなくても設定された速度をキープして走ってくれる、なかなか気の利いたシステムです。
ドライバーは、ブレーキペダルに足を乗せて、ハンドル操作に集中するだけ。「長距離」+「長時間」のドライブの頼もしい味方となってくれるでしょう。
先の自動ブレーキシステムとセット、若しくは標準装備となっているケースもありますので、要確認、です。
両側電動スライドドア
ミニバン系の車に多いのが「スライドドア」ですね。
車種にもよりますが、実は結構重かったりするんです。
その重さをカバーしたのが、「電動スライドドア」です。モーターとワイヤーを組み合わせ、車内外問わずスイッチ一つで開閉できるようになっています。
その機構が助手席側は標準で付いていますが、両側電動スライドドアはメーカーオプションであることが多いんです。
しかも、助手席側のスライドドアは運転席側のスライドドアに比べ、一般的に使用頻度が少ないんだそうです。
このオプションを選択しないとどうなるかをシミュレーションすると…
- あまり使わない方に電動スライドドア。
- 良く使うのにやや重いスライドドア。
- たまに使うことで電動スライドドアの便利さに気付く。
- 「運転席側が電動スライドドアだったらなぁ」と思うようになる
- スライドドアを使うたびにその思い↑が募る
と言った具合でしょうか。左か両方かの差だけでも、「不便さ」は出てしまうものなのですね。
以上を踏まえ、ミニバンを検討している方は「両側電動スライドドア」の導入だけは強くお勧めします。
売却や中古車購入のポイント
さて、ここまで具体的なオプションにも言及してきましたが、ある事にお気づきになったでしょうか。
それは、「中古車を選ぶ際のポイントになる」ということです。
どういうことか、2つの観点から紐解いていきましょう。
売却時にリセールバリューが見込める
車を売る時は、まず査定士の方が商品価値を判断するために細かく査定します。
主な査定項目は
- 車種(グレード)
- 年式
- 走行距離
- 色
- 外装の状態
- 内装の状態
- 修復の有無
- 各機関の作動
- エンジンルームの状態
- 車検証と車台番号の確認
などが基本的なもので、細かい所はディーラーや買取店、若しくは査定士の裁量で判断されます。
その査定に際して、「プラス査定」が付きやすい物の代表が「オプション品の搭載」となるわけです。
特に取り外しの効かないメーカーオプションは「強めのセールスポイント」となるので、内外装がきれいで走行距離も少なければ、査定額が上がる傾向があるようです。
お得感が得られる
後付けが可能なディーラーオプションとは違い、付け足すことも取り外すこともできないメーカーオプションは、車を売却する際にそのまま付いてくるのは必然です。
すなわち、中古車として売られる車に付いているメーカーオプションで「お得感」を測る事が出来るのです。
新車のカタログにはオプションの一覧があり、メーカーオプション単体の価格も載っているため、その金額を知っておくことで、中古車の販売価格と照らし合わせて判断する材料の一つになります。
見逃してはいけない注意点
ここで注意点、というか「デメリット」をお話ししないといけません。
メリットを活かすためにはデメリットと向き合わなければならないのは、車に限った事ではありませんよね。
デメリットを理解した上で、最適なメーカーオプションを検討してみてください。
基本的に「高額」
冒頭でも触れましたが、メーカーオプションはその車自体に付けられる設備であるため、どうしても大掛かりなモノになってしまうが故、単価というものが「高額」になります。
見積もりで魅力的なオプションを全部付けたら、最上級グレードよりも高くなってしまった。
なんてことはザラです。
だからこそ、「自分にとって本当に価値のあるオプションを見定める」ことが大事になってきます。
そのためには大いに時間をかけていいと思います。
中古車と違い、生産終了にならない限りオーダーが可能なので、ネットで調べたり、相談したり、はたまた違う販売店で話を聞いたりする時間は十分あるため、その利点を活かさないテはないでしょう。
「自動車取得税」が高くなる
もう一つ、お金に関わることですが、「自動車取得税」が高くなる特徴があるということを知っておかなければなりません。
これは、メーカーオプションが車自体に組み込まれるものであるということに密接に関係しています。
つまり、オプション装着が「車両価格」に含まれることにより、車両価格に対して課税される「自動車取得税」が高くなる、という仕組みです。
発注後はキャンセル不可
これはメーカーオプションの特性を理解していれば当たり前のことですが、発注となった場合、「やっぱやめた」は通用しません。
なので、後悔しないためにも、よく考えて、情報を集めて、時に相談したりして時間を有効に使うことが大切になってきます。
もし、発注後に設定したメーカーオプションのよろしくない情報が舞い込んできても、それに踊らされず、自分の下した決断に自信をもって、その負の情報を突っぱねるくらいの意志の強さがあれば後悔する事はないでしょう。
まとめ
以上、最適なオプションの選び方について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- オプションには「ディーラーオプション」「メーカーオプション」の2種類がある
- 「メーカーオプション」を軸にチョイスを考える
- メーカーオプションの「デメリット」と向き合う
と言った感じで進めてまいりました。
昔は「車の購入は一生モノ」なんて言われた時代もあったそうですが、今でもその名残か「よく吟味して購入するべきもの」であることは確実で、高価な買い物に変わりはありません。
新車の購入で新しいカーライフをより豊かにしてくれるオプションの選択に、当記事が参考になれたら幸いです。