こんにちは。塾長です。
車というものはその性質上「男性ウケ」する要素が多くありますが、決して男性の為にあるわけではありません。
というわけで、今回はタイトルにもある通り、カワイイ車ランキングとして「女性目線」に立った記事をお届けします。
女性のポリシー「カワイイ」に合致するか
女性の心をときめかせるものとして、まず挙がるのが「カワイイ」ではないでしょうか。
犬、猫、小鳥といった小動物をはじめ、赤ちゃんや幼い子供に対してもトキメキの対象となりましょう。
母性をくすぐられる心理的な効果が強く表れるという説もあり、その実情は男性の理解を越えてしまう事もあるとか。
その「カワイイ」に対する代表的な条件が「小さい」「丸い」「柔らかい」の3点かと思われます。
今回はこの「女性のポリシー」とも言えるカワイイの条件にフォーカスしてランキングにまとめてみました。
「カワイイ車」ランキング1位~5位
1位 【スズキ】 アルトラパン
スズキが女性をターゲットに開発したラパンは、その目論見通り若年層の女性を中心に爆発的な人気を博しました。
女性目線なレイアウト
男性にはやや窮屈な車内も、女性にとっては使い勝手の良いスペースで、カップホルダーやエアコン操作など、やりたい動作が直感的にできる配置となっています。
使う人に使い易いのは当たり前ですが、それは女性にとっても嬉しいものですね。
女性が安心できる配慮
さらにラパンは、運転についても女性目線です。
見た目よりも広く設計された窓類は、後部ドアの窓も広く、全体的に視界が良好になる造りをしています。
加えて、自動ブレーキや誤発進制御機能など、先進の安全設備が整っている安心感は、女性ならずとも魅力的ですね。
前面に押し出された可愛さ
そして、最も女性を虜にするのは、その「可愛さ」でありましょう。
「ラパン」とは、フランス語で「うさぎ」を意味します。
ラパンは「スズキマーク」の代わりにうさぎをモチーフにしたエンブレムを採用しています。
車には必ずと言って良いほど、メーカーのエンブレムがついています。それも、一番見られやすいフロントグリルと後ろの真ん中にあるのが通説です。
ラパンはバックドアにも「Lapin」の文字のみ。しかも、その「i」がうさぎを模しているという遊び心がまた愛らしさを誘います。
そして、四角形を基調としながらも丸みをふんだんに取り入れることで「柔らかい」イメージを表現。
ボディーカラーもC-ピラー(一番後ろの柱)から屋根にかけて2トンカラーになっているのも、モダンでオシャレな外見を演出しています。
2位 【ダイハツ】 ムーヴキャンバス
ダイハツが女性をターゲットに産み出した軽のトールワゴン「ムーヴキャンバス」は、よりアクティブなライフスタイルを想定してデビューしてから、ラパンと人気を二分する程の支持を得ています。
ママ層からの絶大な人気
ムーヴキャンバスのコンセプトは、「女性にフォーカスしたデザイン性と機能性」。
ラパンほど可愛さを押し出してはなく、どこか落ち着いた雰囲気があるものの、全体的に丸みを帯びたデザインからは「優しさ」をイメージさせます。
ダイハツは「近年の女性の行動特性」に目を付け、同居世帯が車を共有するケースが多い事から、「世代を超えた女性にも受け入れられる車」を追求した結果、ママ層からの絶大な人気を得る事となったようです。
ママに嬉しい装備がたくさん
まず嬉しい装備として挙がるのが「両側スライドドア」です。
カワイイを追い求めたい気持ちは女性なら誰しも共通のことでしょう。が、ママともなれば事情が変わってきます。
そう、「子供」の存在です。
子供は行動の予測が困難なものですが、スライドドアならスーパーなどの密集した駐車場での乗り降りにも神経をすり減らすことはないでしょう。
さらに細かいところでは、高さが1700mmを切るサイズでスライドドアを採用していることで、「カワイイサイズでスライドドア」という魅力的な組み合わせが実現しています。
実はこの低車高でのスライドドアの採用は、軽自動車では珍しいんだそうです。
内装のユーティリティーにも「ママ目線」の設計で、後席シートの下の引き出しを出すと、買い物がスッポリ収まる「置き楽ボックス」が出現します。
深さも十分あることから、倒れやすい物やフロアに直置きしたくない物がある時は重宝します。
車が走るのは昼間だけではありません。ハンドルの操作に応じてヘッドランプが動くシステム「AFS」も搭載されています。
これにより、曲がりたい方向に明かりが向くため、カーブを曲がる時や右左折の視界が格段に広がります。
バック駐車も女性が苦手とされるものとして定番ですね。
4か所のカメラで真上から見下ろしたような映像をナビ画面に映し出す「パノラマモニター」で、駐車の難易度を下げることができます。
「カワイイ」+「機能的」
ムーヴキャンバスの可愛さは、明瞭な「カワイイ」よりも、内面的に感じる「カワイイ」で、言ってみれば「大人カワイイ」部類という感じがします。
そんな大人カワイイ車で両側スライドドアを備えた機能的な装備をご所望ならば、ムーヴキャンバスを有力候補に挙げて損はないと思います。
3位 【日産】 マーチ
日産自動車から1982年にデビューしたマーチは、現在に至っても安定の人気を不動のものにしています。
ざっと38年(2020年現在)、現役で有り続けている老舗級の「名車」と言ってもいいのではないでしょうか。
全体的な「丸っこさ」がカワイイポイント
まず、一見して目が行くのは、外見の「丸っこさ」です。
全体的なフォルムが丸みを基調としていて、ヘッドランプやテールランプも「丸っこく」なっています。これがまた愛着の持てる「顔」になり、潜在的に「カワイイ」と思えてしまう要因でしょう。
内装にも「丸み」は徹底され、エアコンの吹き出し口から、メーター周り、ドアコックに至るまで丸くなっています。
そのため、全体的に「シンプル」にまとまる事が出来、操作が直感的に可能な事で女性にとっての使い勝手が良好にできています。
近年の女性が好む車のコクピットのレイアウトは、マーチからヒントを得て来ているのではないかとも思えます。
意外な経歴
今でこそ女性をメインターゲットにしているマーチですが、デビュー当初は全く違う路線で誕生している事をご存じでしょうか。
初代マーチのラインナップには、ターボエンジンの5速MTがあり、競技車両になることを前提とした「R」というグレードまでありました。
そう「モータースポーツ」、レースのカテゴリーで活躍する車だったんです。
折しもバブル経済真っ最中の1989年、ターボチャージャーとスーパーチャージャーを合体させた「ダブルチャージ」(日産が呼称)というチート級のグレードも造られました。
しかし、造りが複雑なため生産コストや修理費が跳ね上がり、いかにバブル経済期といえどそのコスパの悪さにより、一代限りで幕を下ろした「幻のグレード」となってしまいました。
リッター車ならではの走りは「余裕」
バブル崩壊を機に、ターゲット層を180度変えて登場した2代目以降は、初代と比べて大人しすぎる走りになりました。
それが「快適な走り」として受け入れられたのが「女性」だったんです。
それを当時の日産CEO、カルロス・ゴーン氏は見逃しませんでした。
続々とライバル車種が登場する中、3代目は「万人受けする大衆車」から「女性をターゲットにした車」へと路線を確定。
とにかく「丸み」を意識したデザインになり、プラットフォームをルノーと共同開発したものを採用。
外観と技術のクオリティを高め、大人しめな走りでありながら、リッターカーの持ち味である「余裕」の走りを実現しました。
ボディーカラーの種類も29色と、迷うほど増やしたのもこの時期です。
現行型の4代目は、12色と色数を減らしましたが、女性からの支持は安定したものであると言えるでしょう。
4位 【トヨタ】 ポルテ
助手席側が「スライドドア一枚」というユニークなコンパクトカーがポルテです。
このユニークな発想により、仲間内で出かけることの多い若年層はもちろん、ママ層からも厚い支持を得ています。
中身で勝負
四角形を基調としながら、随所に丸みを取り入れる事で「柔らかさ」「優しさ」を表現していますが、一見してシンプルな見た目に落ち着いてしまっているポルテは、「機能」で差別化を図りました。
先にも触れた、助手席側を大きなスライドドアのみとすることでインパクトを与え、トールワゴンの利点をフルに活かした多彩なシートアレンジなど、セダンの派生であるハッチバックのマーチでは到底できない使い勝手を実現しています。
意外な支持
ビジュアル的にはシンプルさが仇になってしまった感のあるポルテですが、意外にもパパ層からの支持が厚い、という特徴があります。
休日はパパが運転、使用頻度が高い平日に普段使いするママの意向が反映されるのは、ライフスタイルにマッチした合理的な選択でありましょう。
つまり、ファミリーカーとして夫婦、若しくは奥様がメインで使われる場合の選択肢としてポルテは有りということですね。
また、助手席を折り畳むことでテーブルになることから、アウトドアを楽しむ家庭からの支持もあるようです。
女性目線のインテリア
パパ層の支持もあるとはいえ、ポルテのメインターゲットはやはり「女性」であることが、インテリアからも見て取れます。
丸と四角を巧く共存させたデザインはシンプルで、基本的な動作が直感的にできるレイアウトに整っています。
多くの男性が好む「戦闘機のコクピット」のようなレイアウトは、女性にとっては混乱してしまいますからね。
5位 【ダイハツ】 ミラトコット
ダイハツがリリースする、もう一つの女性向け車両が「ミラトコット」です。
ムーヴキャンバスが「ムーヴ」からの派生車種なのに対して、ミラトコットは「ミラ」からの派生になり、「ミラココア」の後継車となります。
秀逸なパッケージング
ライバル車種に当たるラパンが「四角いのに丸みを意識したデザイン」なのに対して、トコットは「四角の中に丸い要素が効果的に取り入れられている」スタンスと言って良いでしょう。
全体的に角ばったスタイルでも、ヘッドライトは丸いものを採用し、四角であることを開き直ったかのようなパッケージングは、「カジュアル」「スイート」「エレガント」と、女性の「コーディネート心理」を巧みにくすぐっているようです。
シンプルの中に光るセンス
「オシャレは足元から」とは昔から言われている言葉ですが、それは車にも言えることではないでしょうか。
純正のホイールキャップは、どこか無骨で、のっぺりとしたデザインなのが通説です。
が、ミラトコットのホイールキャップは中心部分をシルバーでまとめ、タイヤに隣接するリング部分にはホワイトをあしらい、オシャレを演出しています。
それがパッケージングを阻害せずに全体のアクセントになっているあたり、設計者のセンスを感じます。
頼もしいサポート
安全装備も手抜かりはありません。
フロントガラスの上部に付いているステレオカメラと連動する事で「誤発進防止機能」「車線はみ出し警報」「緊急ブレーキ」などが可能になります。
これらは、「スマアシ(スマートアシスト)Ⅲ」とダイハツが呼称しているもので、各自動車メーカーがこぞって取り入れている予防安全システムの代表的なものです。
これにより、運転初心者から、運転に自信が持てない方にも強い味方となるでしょう。
「カワイイ車」~輸入車編~
みなさんが普段使われている「カワイイ」というワード、実は「過労死(karōshi)」や「ヲタク(Otaku)」に次ぐ日本語が発祥の世界共通語であることをご存じでしょうか。
英語圏でカワイイには、Pretty(プリティ)やcute(キュート)といった同じ意味を表す単語が存在しますが、あえて日本語の「カワイイ」を取り入れるあたり、ニュアンスを重んじる外国人の方々には、日本人的な「可愛らしさ」は独特な魅力を放っているのかもしれませんね。
そんな諸外国の女性達も、車のチョイスを冒頭で触れた「小さい」「丸い」「柔らかい」の3条件に当てはめるケースが多いようです。
女性の「カワイイ」に対する考え方は世界共通なんですね。
【フィアット】 500 チンクエチェント
軽自動車並みの車格に、1240ccエンジンの頼もしい走りで日本でも人気の車です。
日本の軽自動車は、法律上660cc未満の排気量と決まっており、メーカー各社、思考を凝らしていますが「絶対的なパワー不足」が最大の悩みどころでした。
荷物を多く積んだり、乗員が増えたりしたときは非力になっちゃうし、ターボ仕様も燃費が良くない。かといってコンパクトカーになると車体の大きさが気になる。
そんなニーズに、軽自動車サイズでリッターエンジンを載せたチンクエチェントは優秀に応えているのではないかな、と思います。
荷物の積載能力こそ犠牲になっていますが、全体的に丸みを帯びたフォルムで、フロントビューはまるで微笑みかけているようにも見えます。
コンパクトな3ドアハッチバックのため、車の動きが把握し易く、狭い道や大型車とのすれ違いも楽にクリアできるでしょう。
【フォルクスワーゲン】 ニュービートル
車の形を表す線がほぼ曲線と言う、これほどまでにデザイナブルな車は日本では中々作れませんね。
直線を探す方が難しいほど丸みをふんだんに取り入れられたニュービートルの丸っこさはマーチ以上と言えるでしょう。
インテリアもシンプルにまとまっており、丸型のメーターパネル一つの中にスピードメーター、タコメーター、ガソリンメーターが凝縮し、余分なものを極力排除した設計になっています。
さらに、ハンドル脇に「一輪挿し」の花(もちろん造花)が付いていることからも、この車が女性をターゲットにしていることが伺い知れますね。
ただ、難点としては「可愛さ」を追求し過ぎてしまったためか、独特なパッケージングになってしまったことで「運転に慣れる」スキルが必須となってしまったことでしょう。
それさえクリアできれば、これほどシティライフにマッチした可愛い車はないのではないでしょうか。
【ルノー】 トゥインゴ
フランスの交通事情は、日本と通ずるところがあると言われています。
狭い路地や、斜めに交わった変則的な交差点、坂道が多数存在する状況で、このトゥインゴは鍛えられてきました。
現行型の3代目は、駆動方式をRR(リアエンジン、リアドライブ)にすることでハンドルのキレ角を増し、狭い道でも切り返し無しでキビキビ走れるように進化。
そのため、車格も取り回しも軽自動車レベルなうえ、ドライバーの視点が高めに設計されていることから運転視界が良好になっています。
加えてフランス仕込みのアートが感じられる外観で、女性から厚い支持があるようです。
「でも、RRって追突されたらヤバくない?!」
確かに、RRはエンジンが一番後ろにあるため、追突された時にエンジンが車内に進入してしまうリスクはあります。
が、トゥインゴは追突されたら斜め下にエンジンが落ちるように設計されているため、車内に入り込んでしまうことはないでしょう。
また、エンジンの発熱や振動が車内まで影響しないように専用設計の遮断フォームで覆われています。
この細やかな気配りは、日本の影響…かもしれませんね。
まとめ
以上、女性向け「カワイイ車」ランキングでした。
感性に訴えかけるような車がありましたでしょうか。
ぶっちゃけたところ、車というのは見た目の「可愛さ」だけでは判断が付かないところがあります。
しかし、「ビジュアル」というものも車を形作るうえでは欠かせないものであることでもあります。
「見た目」+「車としての機能」で、その車を理解していきたいですね。