ハイブリッド車はお得なのか!?ガソリン車と多角的に検証してみた

自動車

こんにちは。塾長です。

プリウスの登場から完全に市民権を得た感のあるハイブリッド車ですが、「本当にお得」なんでしょうか?

ここ最近になって疑問の声がチラホラ耳に入ってくるようにもなってきましたよね。

そこで今回は、ガソリン車とハイブリッド車を様々な角度から比較、検証してみた結果、「ハイブリッド車も悪くはない」「ケースによってはお得」という答えが見えてきました。その全貌を見ていきましょう。

ハイブリッド車の燃費

プリウスがステーションワゴンになったのを皮切りに、現在では様々なタイプの車にハイブリッド仕様車が導入されました。

遂には「難しい」とされていた軽自動車にもハイブリッドが登場する始末。

ここまでの繁栄を下支えてきたのは、紛れもなく「燃費性能」にあると言えるでしょう。

ハイブリッド比較-燃費性能

ガソリン車に比べ、格段に優秀な燃費性能という認識で広まったハイブリッド車ですが、乗り換えて使用していても肌感としては曖昧なモノになってしまいがちです。

そこで、「目に見える形」として数値化してみました。(数値はJC08モードで掲載)

ガソリン車ハイブリッド車
トヨタ/プリウス
S-ツーリングセレクション
ガソリン車設定なし37.2km/L
トヨタ/ベルファイヤー
Z 7人乗り(WLTCモード)
10.6km/L14.8km/L
トヨタ/ボクシー
ZS
16.0km/L 23.8km/L
ホンダ/オデッセイ
G・AERO (WLTCモード)
12.6km/L 20.6km/L
日産/セレナ
ハイウェイスター
16.6km/L 26.2km/L
ホンダ/ステップワゴン
スパーダ
15.4km/L 25.0km/L
トヨタ/カローラフィールダー
EX
23.0km/L 34.4km/L
ホンダ/フリード19.0km/L27.4km/L
スズキ/ワゴンR 26.8km/L 31.0km/L

主要なハイブリッド車の設定がある車種を数値化してみましたが、総じて燃費性能が高いことが伺えますね。

ハイブリッド車の価格

燃費の上ではガソリン車より優秀であることがお判りいただけたと思います。

次に、車そのものの価値はどのくらいでしょうか。

燃費性能で価格差を埋める事が出来れば、ハイブリット車を所有するメリットは大きいと言えるでしょう。

ハイブリット比較-車体価格

燃費性能では「優秀」なことが確認されましたが、車体価格を無視して比較は成り立ちません。

ハイブリッドは先進技術の一つですので、研究開発費が販売価格に反映しているため、割高の傾向があるようです。

ガソリン車ハイブリッド車差額
トヨタ/プリウス
S“ツーリングセレクション” (2WD)
設定なし 2,816,000円(税込)
トヨタ/ベルファイヤー
Z 7人乗り
3,908,000円 (税込) 4,799,000円 (税込)891,000
トヨタ/ボクシー
ZS
2,813,800円〜 3,347,300円 533,500
ホンダ/オデッセイ
G・AERO
FF/7人乗り
3,123,186
FF/8人乗り
3,035,186
FF/7人乗り
3,907,445
FF/8人乗り
3,819,445
784,259
日産/セレナ
ハイウェイスター
2,758,800 3,293,400534,600
ホンダ/ステップワゴン
スパーダ
2,920,500 3,427,600507,100
トヨタ/カローラフィールダー
EX
1,818,300 2,281,400463,100
ホンダ/フリード
G
FF/6人乗り
2,160,400
FF/7人乗り
2,182,400
4WD/6人乗り
2,396,900
FF/6人乗り
2,561,900
FF/7人乗り
2,583,900
4WD/6人乗り
2,798,400
401,500
スズキ/ワゴンR 1,163,8001,280,400116,600

総じて10万円単位の差額があるようです。

ワゴンRでざっくり試算すると、燃費性能が31.0km/L、 レギュラーガソリンが150円/Lとすると、約777L分の差額となり、燃料タンクが27Lなので、28.79回の満タンを越えてやっと元が取れる計算になります。

ハイブリッド車の税金

車体価格を比較対象にすると、燃費性能だけでは中々メリットにまではなりにくいことが確認できましたね。

次は、車に密接にかかわる「税金」の視点から見ていきましょう。

ハイブリッド比較-自動車税

自動車を所有している限り、切り離すことはできない「自動車税」。

自家用車は排気量で税額が決まっているのは車を所有したことのある方なら周知の事と思いますが、同じ排気量でもハイブリッド車とガソリン車では税額が変わっているのをご存じでしょうか。

また、グリーン化特例のような「エコカー減税」もあり、消費税10%に伴っての「恒久減税」が適用になるなど、複雑になってきています。

総排気量(ℓ)ガソリン車自動車税
( 2019年10月1日以降登録)
ハイブリッド車自動車税
(平成32年度燃費基準
+20%超過車は概ね75%軽減 )
差額
軽自動車10,800円(変化なし)5,400円(軽自動車税は概ね50%軽減) 5,400円
1.0以下25,000円6,250円18,750円
1.0~1.5未満30,500円7,625円22,875円
1.5~2.0未満36,000円9,000円27,000円
2.0~2.5未満43,500円10,875円32,625円
2.5~3.0未満50,000円12,500円37,500円
3.0~3.5未満57,000円14,250円42,750円
3.5~4.0未満65,500円16,375円49,125円
4.0~4.5未満75,500円18,875円56,625円
4.5~6.0未満87,000円21,750円65,250円
6.0以上110,00027,500円82,500円

因みに、グリーン化特例制定前の税率は以下の通りです。

総排気量(ℓ)ガソリン車
(グリーン化特例前)
グリーン化税制
(13年経過)
差額
軽自動車 10,800円12,900円 2,100円増
1.0以下 29,500円 34,000円 4,500円増
1.0~1.5未満 34,500円 40,000円 5,500円増
1.5~2.0未満 39,500円 45,500円 6,000円増
2.0~2.5未満 45,000円 52,000円 7,000円増
2.5~3.0未満 51,000円 59,000円 8,000円増
3.0~3.5未満 58,000円 67,000円 9,000円増
3.5~4.0未満 66,500円 76,500円 10,000円増
4.0~4.5未満 76,500円 88,000円 11,500円増
4.5~6.0未満 88,000円 101,500円 13,500円増
6.0以上 111,000円 128,000円 17,000円増

ここで注意しておきたいのは、「エコカー減税は期限付き」だということです。

小難しい講釈で説明していますが、「高い環境性能を計上したハイブリッド車であっても、最初の一年のみの減税で、その後は普通のガソリン車と同じ税金を払うことになる」と、されています。

ハイブリッド比較-重量税

重量税は、車の「重さ」によって決まる税金で、新車登録の時(3年分)と車検ごと(2年毎)に支払う義務があります。

ハイブリッド車などのエコカーは環境性能の達成率によって、最大で新車登録時と初回車検時の重量税、併せて5年分が免税になります。

車両重量エコカーエコカー
(本則税率)
標準税率13年経過車両18年経過車両
0.5t以下 免税 5,000円8,200円11,400円12,600円
0.5t~1.0t未満 免税 10,000円164,00円22,800円25,200円
1.0t~1.5t未満 免税 15,000円24,600円34,200円37,800円
1.5t~2.0t未満 免税 20,000円32,800円45,600円50,400円
2.0t~2.5t未満 免税 25,000円41,000円57,000円63,000円
2.5t~3.0t未満 免税 3,0000円49,200円68,400円75,600円

ここで言う「エコカー」は、プラグインハイブリッドや電気自動車などの「普通のハイブリッド車以上のエコカー」を言います。

「じゃあ、13年経過とかって何!?」

お眼が高い(笑) 

次に解説しますが、これこそ優遇されるエコカー減税の裏側「グリーン化税制」なのです。

ハイブリッド比較-13年モノ増税(グリーン化税制)

ネーミングだけを見れば、環境に配慮をした者(車)が受けられる優遇税制のようにも思われますが、実際は「環境に配慮しない者(車)に対しての増税」なんです。

要するに、「古い車は環境にも悪いから新しいエコカーに乗り換えろよ」と言っているようなものなんです。

確かに、自動車は新車から13年も経てば古株の部類になり、買い替え時の目安の一つともなり得ています。

しかし、この緊縮財政の昨今、経済的にもそうそう車を買い替えられる人は少ないのではないでしょうか。

その車に愛着を持つ人も多く、簡単には今所有している車を手放せない人も少なくないのが現状です。

その現状を知ってか知らずか、 ハイブリッド車や電気自動車であれば13年以上の中古車でもグリーン化税制の対象外として、政府は容赦なく足元を狙い撃ちしたような暴力的な政策を強行したとしか思えません。

なぜなら、「環境に配慮」という観点なら、ハイブリッド車を生産する際のCO2は考慮されているんでしょうか。

また、乗り換えにより大量の廃車車両も出てくることになりますが、その処理の際にもCO2は出ます

それらをかんがみて余りある環境的効果があるとは到底思えないからです。

こちらの記事↓で詳しく解説しています。闇深につき、閲覧注意でお願いします。

ハイブリット車のメリット

「燃費性能」を追求して生まれたハイブリッド車ですが、その存在は税金に振り回される運命を背負ってしまったようです。

しかし2020年現在の税制では、燃費よりも税金の側面で所有するメリットが大きい可能性が出てきましたね。

トヨタのヴォクシーZSを新車登録でみてみると、環境性能割(旧取得税)がガソリン車で1%の23,300円優遇(2,790,500円)、ハイブリッド車で3%の82,100円の優遇(3,265,200円)。

以上をふまえての車体価格の差額が474,700円 (カタログ値参照)

ガソリン車は燃費基準+20%、平成17年排ガスレベル75%低減を達成しているので自動車税が36,000円となり(ハイブリッド車は9,000円)、27,000円の差額を差し引いて447,700円

重量税がハイブリッド車は5年間免税、ガソリン車は5年間で42,500円、ここまで差し引きトータル447,700円−42,500円=405,200円(5年間)となり、1年に換算すると、81,040円となります。

これを燃費性能で相殺していきますと、ハイブリッド車のタンク容量が50L、ガソリン価格が150円/Lとすると満タンで7500円、81,040÷7,500=10.814となります。

飽く迄試算ですが、ヴォクシーの場合、ハイブリッド車を満タン10回以上でガソリン車の「差額」を埋めてしまうことが確認できました。

加えて、グリーン化税制が続くとすれば、ガソリン車は「13年経過の重税対象」になるので、13年後には「重税」か「買い替え」の選択を迫られることになります。

ハイブリッド車の繁栄

ハイブリッド車自体は環境に配慮された素晴らしい先進技術で、モノ作りにおける日本の技術に恥じない「世界に誇れる車」と言ってもいいでしょう。

2020年現在、今の政府のやり方は確かに乱暴ですが、 2019年10月の消費税10%を境に自動車取得税が廃止になり、代わりに環境性能割が導入されてエコカー購入に魅力的な条件となっていますが、これらの優遇税制は「期限付き」であることを理解したうえで購入を考える必要があります。

エコカーを購入し易くするための制度で、期限が終わればガソリン車と変わらない税金を納めるのですから。

とはいえ、「ハイブリッド車であれば、中古車でも13年経過の重課税の対象外とする」というキラー条件を出してくるあたり、CO2排出をゼロに削減する目標を世界に先駆けて発表した日本政府の「本気度」が垣間見えます。

MTがATに主流が移ったように、今後はハイブリッドが未来の主流になってくるのではないでしょうか。

FMトランスミッター、使ってますか?

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