購入の決め手「試乗」の有効な乗り方を解説。賢く乗って極上の車を見極めよう!

自動車

パワーウィンドゥやエアコンなどの電装系統の機関は正常か

車のトラブルで多いのが「電装系の不具合」です。

リコールになることもありますが、メーカーが認めなければ成立しません。

保障の対象になることも多いため、販売店に確認しましょう。

試乗せずとも、ざっとこれだけのチェック項目があります。これだけ見れれば、上等と言えるのではないでしょうか。

「保障があるからそんなに見なくてもいいでしょう」

それはごもっともです。

最近は企業のイメージアップを図る販売店が多く、それも形式だけでなく、「無料保証」や「整備費用込み価格」、「遠方納車可能」など、サービス自体が「お客様」にフォーカスしたものとなっている特徴があります。

が、その保障内容をよく理解していないと、足元をすくわれるかもしれません。

保障というのは、範囲が決まっているもので、「消耗品」とされるものは保障の対象外になっていることがほとんどです。

なので、例えば

エアコンが効かなくなった➡保障を使う➡エアコンは直ったがエアコンガスが自腹。

と言った感じになる場合もある事を知っおくためにも、どこまでの範囲が保障で、どこからが自己負担なのかを把握しておいて損はありません。

詳しい説明を聞く~見積書作成

現車確認を終えたら、次は販売店と今後の進展について協議に入ります。

見積書の作成を基に、販売店のシステムでの流れに顧客は基本、従う形になります。

担当営業マンはだいたい店の収益を優先させたプランから進めます。最低でも3つのパターンの見積書を出してもらいましょう。

試乗の申し込み(予約)

現車確認の時に試乗が出来なかった時には、改めて試乗を予約しましょう。

押しの強い営業マンが担当になった時は見積書だけ持って帰ることに苦労することを考慮すると、「今日は試乗までする時間がない」のを口実として、現車確認と試乗をあえてずらすのも効果的かもしれません。

試乗

いよいよ現車の最終チェックの段階まで来ました。

実際道路を走って走行の確認です。ここで問題がなければ、「購入」まで秒読みと言えるのではないでしょうか。

シートポジション

意外と正しいシートポジションをとれていない人が多いと言われています。

まず、腰が背もたれに付く位に深く座り、座面は一番下に合わせ、背もたれを前に倒して起こして止まる最初の位置に持ってきます。

ちょっと苦しいですが、少しの辛抱です。

次に、シートを一番後ろに下げ、お腹が窮屈にならない背もたれの位置を探します。

「もう一段起こすと苦しいな」の辺りが適正です。

それから、ブレーキペダルを踏んで膝が少し曲がるくらいにシート位置を調整します。

かかとを基準にアクセルとブレーキの踏み変えがストレスなくできるのが目安です。

そして、ハンドルの上端に両腕を伸ばして、手首の辺りに来るようにハンドルチルトを調整します。

ハンドルを切ったとき、180度持ち替えナシで「すぱっ」と行けたら、そこが適正距離です。

ちょっと近いと感じる方が多いようですが、走行Gの影響に耐えながらハンドルを多く切れるポジションなんです。

動かせるものは全て動かす

試乗とは、その車の全機能を試す絶好のチャンスです

せっかくですから、ナビ、オーディオ、バックモニター、ワイパー、リアワイパー、サンルーフ、ブラインドモニター、動かせるものは全部動かしましょう。

運転

運転に自信がある人であれば問題ありませんが、車格が変わる事で感覚が掴みづらくなる人もいます。

そんな時は、担当スタッフに同乗してもらうこともできますので、恥ずかしがらずにお願いしましょう。

ここからは走りながらの確認になりますが、メモを執るのはまず無理なので、自分の感覚をよく覚えておきましょう。

エンジン始動

先にも述べたように、エンジンのかかり出し、音、振動に異常はないかを見ます。一度見ている場合でも、前回と変わった点はないか確認しましょう。

走り出しの感覚

いよいよ実走です。車両感覚に注意しながら、「安全第一」で走りましょう。アクセルの感覚、車体の挙動は体で覚えるしかありません。今まで乗っていた車と比較すると覚えやすいですね。初めての車であれば、教習車と比較するといいでしょう。

ブレーキの利き具合

ブレーキは、車のスピードでも踏み具合は変わってきますが、「車重」でも変わってくることをご存じでしょうか。

例えば、軽自動車からアルファードのようなLサイズミニバンになると、同じスピードでも制動距離は違ってきます。

それだけ強化されたブレーキにはなっていますが、その「くせ」を把握する意味でも、効き具合はしっかり見ておくことをお勧めします。

上り坂のパワー感

自転車に乗って上り坂を行くとき、殆どの人が「立ち漕ぎ」しますよね。

自分の体重をペダルに乗せる事で、少しでも効率的に上るためで、座ったままだとパワー不足だからです。

それは車も同じで、坂によっては「キックダウン」してしまうほど。

ですが最近の車はエンジンの効率に優れて、そこそこの上り坂でもぐいぐい進みます。

なので、踏み過ぎればキックダウンしてしまい、エンジンに余計な負担と燃費がかかることになるため、上り坂でのアクセルワークを慎重に感じ取りましょう。

下り坂のエンジンブレーキ

マニュアル車や、マニュアルモード付AT車はエンジンブレーキを細切れにできます。

徐々にエンジンブレーキの強さを増していき、最適なスピードを維持し易くなるメリットがあります。

AT車でも「オーバードライブ」というスイッチをONにすることでエンジンブレーキが発動しますが段階機能はなく、坂の角度が急だったり、スピードが速かったりすると急激なエンジンブレーキがかかり、エンジンにかなりの負担がかかります。

その場合は、何度かON/OFFを繰り返すか、3レンジ(車種によってはSレンジ)にシフトダウンさせるなどしたテクニックが有効です。

ハンドルの応答性能

車の駆動方式は、大きく分けて5種類あります。

  • 最も多く採用されている「前輪駆動」のFF(フロントエンジン、フロントドライブ)
  • 雨や雪、泥などの悪天候に強い「4輪駆動」の4WD(4ホイールドライブ)
  • スポーツカーや高級セダンに採用されている「後輪駆動」のFR(フロントエンジン、リアドライブ)
  • F-1やスーパーカーなどの怪物級マシンに採用されている「後輪駆動」のMR(ミッドシップエンジン、リアドライブ)
  • 路線バスや昔のポルシェが採用する「後輪駆動」のRR(リアエンジン、リアドライブ)

この駆動方式の違いで、ハンドルの応答性はかなり違ってきます。

一般的に4WDやFFは直進の安定性に優れる反面、やや曲がりにくいとされており、FRやMRはその逆で、直進の安定をキープするのに神経を使う反面、カーブが楽に曲がれる性格を持っています。

RRは特にトリッキーで、一番「真っ直ぐ走らせるのが難しい」とまで言われています。

路線バスは車格が大きいため、その影響は少ないようですが、「ポルシェ911」などはテクニカルマシンの代名詞のようなものでした。

現在採用例の少ない「レアもの」ですが、スバルのサンバーなど、現役稼働しているものもあるので、「えっ、この車RRだったの?!」なんて事もあるかもしれませんね。

最小回転半径

ハンドルをいっぱいまで切って進み、半周進んだ時のスタートからの直線距離を「最小回転半径」と言います。

先にも述べた駆動方式にもよりますが、一般に2輪駆動より4輪駆動が最小回転半径が大きくなります。

狭い道路での取り回しや、駐車の際の難易度にも影響するので、常に意識することを心がけたいですね。

バックの視認性

駐車する時には必ずと言っていいくらい付いて回るのが「バック」です。

一昔前は、目視で後方を確認しながらたまに前方も見て、「キョロキョロしながらバック」したものです。

今はナビシステムのモニターに連動させたバックカメラの映像のおかげで、後方の確認が楽になっています。

オプション設定のケースが多いブラインドセンサーもあれば、ついうっかりのガシャン!も予防できるでしょう。

しかし、モニターだけを見てバックするのは危険です。

と言うのは、モニターに映らないところにも障害物はあったりするものだからです。

動かないものならまだしも、自転車など「動くもの」は目視しなければ察知できないので、「モニター+目視」といったセット感覚でいたほうがいいかもしれません。

急ブレーキ

極論ですが、本当に危ない場面を回避するには「急ハンドル、急ブレーキ」しかありません。

緊急事態のみに許されたこれらのアクションは反射的なものなので、回避できたとしてもその後にどうなるかはドライバーの裁量と運にかかっているといえます。

そんな緊急時の挙動も体感することで、「回避したけど全損しました」なんてことも回避できるかもしれません。

しかし、これらはブレーキ、タイヤ、サスペンション、シャシーに至るまで車体に負担を強いるものであることに加え、急ブレーキの音は白昼でもかなりの音量のため、試乗に際しては断られることもあります。

ですので、購入後に各メーカーの主催するドライビングアカデミーなどに参加することを考えてみてはいかがでしょうか。

値段交渉

さて、最後の大詰め「値段交渉」です。

新車購入の場合は、顧客の値段交渉に前向きに応じてもらえる事も多いものの、中古車の場合は値段交渉は難しいと一般的に言われています。

かといってあきらめてはいけません。交渉のカードは、なにも金額だけではないからです。

「交渉」のテクニックとして有名なのが、「初めは考えている金額より大きい額の値引きを提示して、徐々に詰めていき、最終的に予定金額に収める、若しくは近づける手法」です。これは、新車の値段交渉でも有効です。

中古車の場合でもチャレンジする価値はあると思われますが、手法的にあからさまですので、まずは

「因みに値引きってしてもらえたりします?」

などと、さりげなく「探り」を入れてからの方がよいでしょう。

値引きがダメなら他で肩代わり

上述のように、中古車の場合は値引き交渉に難色を示すケースが殆どですが、視点を変えて攻めてみるのもアリでしょう。

例えば、「ガソリン満タン納車」「タイヤ4本新品」「新品HDDナビシステム」「ドライブレコーダー」「後席モニター」などがよく条件に出されています。

さすがに「全部つけて」は値引きよりも高くつきますし、ただのイタ客になりかねませんので、どれか一つを交渉という形になるでしょう。

販売店が売りたい時期を狙う

実は、販売店にとって「この時期は売上を上げたい!」と思っている時期があります。

つまり、「売りたい気持ち」が強まっているのです。それが以下の通りです。

  • 2月~3月  (決算のため)
  • 9月~10月 (半期決算のため)
  • 6月~7月  (ボーナス商戦)
  • 月末    (月末締め)

今はボーナスをカットしている企業もあり、ひと昔前と比べてそれほどボーナス商戦が過熱する事はないでしょう。

加えて月末締めの販売店ばかりとも限らないため、「決算期」を狙うのが一番かたいでしょう。

「買うよオーラ」をまとえ

顧客の中には、ただ見るだけの「偵察客」が多くいます。

その偵察客にも営業を仕掛け、「本気客」に仕立てるのが一流の営業マンですが、そんな意識の高いスタッフばかりとは限らないのが残念な所です。

そこに付け入るような形にはなりますが、「売りたい時」に「買う気満々の客」が現れたら、どうなると思いますか?

営業の熱も入りますし、普段はやらないようなサービスや値引きまで引き受けてしまう可能性が高くなりますよね。

「買うよオーラ」をまとえ、とは言いましたが、来店時から出す必要はありません。

言うなれば、最後のトドメの「超必殺技」みたいな部類ですので、交渉の終盤辺りで「どんっ!」と出しましょう。

具体的には、その車を買う意志を強く持ち、自分の予算を明確に心得、販売店のおおまかな利益率を考慮したジェントルな交渉を進め、進行次第では多少予算オーバーでも折り合いをつける「落としどころ」をわきまえることを意図します。

ここまで本気度が伝われば、担当スタッフも手打ちにしたり、さらなるプランを模索したりしてくれるでしょう。

まとめ

これまで自動車購入についてお節介なまでに述べてきましたが、いかがでしたでしょうか。

「ここまでするの?!」

と思われた方もいると思います。

が、そこまでするんです!

別の記事で特集しているので割愛しますが、今後の日本の税制、経済成長を考えれば、先行きが不安定極まりない事は間違いないと言えるでしょう。

そんな益々苦しくなる経済環境のなか、高額商品の購入に踏み切るわけです。

公共交通機関の充実していない地方の方々は特に「生活必需品」ともなるものです。

そんな方々にとって、少しでも有益になれば、幸いです。

先ほど割愛すると言った記事です。併せてどうぞ。

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