購入の決め手「試乗」の有効な乗り方を解説。賢く乗って極上の車を見極めよう!

自動車

販売店と商談

さあ、いよいよ本番です。

目星をつけた車を手に入れるための商談交渉が始まります。

それに伴い、心構えとして「即決しない」ことを頭に置いておきましょう。

販売店スタッフの思惑は「売る事」なので、何も知らない顧客が促されるまま契約が進めば、これほど「オイシイ」ことはないのです。

ですので、保障内容の説明はさわりだけ、車両状態の説明は良い所のみ、保険も高いプランを勧められ、即決を迫られる…という悪質な事例が過去にあったため、今は法律が介入してまともな販売体系にはなっています。

が、そんな今でも、契約後に思ったより高いプランになってしまった人も多くいます。

それは商談中、担当スタッフに消費者心理を揺さぶるオプションなどを言葉巧みに勧められたケースが大半です。

いらないものはいらない」と、ハッキリした意志を持つことが失敗しない購入に繋がるのではないでしょうか。

在庫確認、来店予約

まずはお目当ての車を売っている販売店に電話してアポイントメントをとります。

  • 目当ての車の在庫状況を確認
  • 都合の良い日に来店予約を取り付け、出来れば試乗をしたい旨を伝える
  • 電話口のスタッフの名前をフルネームで控える。

この三つをまず取り付けます。

ここでの目的は「見積書をもらうこと」です。この見積書と下準備しているデータを比較、検討します。

最後の電話口のスタッフの名前を控えるのは、「漫然な業務連絡を阻止させる」ためです。

人が業務を受け持つ以上、ヒューマンエラーというものは意図せずとも発生してしまいます。

業務連絡の行き違いや連絡不実行などもしかりで、時に重大な損失をこうむりかねないものです。

ですので、電話を切る前に「最後に、あなたのフルネームを伺っていいですか?」と一言添える事で、「この話を受けたのは自分である」という認識を持たせ、無意識に責任感を植え付ける事が出来る、裏ワザです。

まさか、「お断りします」なんてオペレーターはいないでしょう(笑)

逆に、最初と最後にみずから名乗ってくるケースもあります。

その場合、「社員教育が行き届いている企業努力が優秀な会社」と見て良いでしょう。

それでも、控えはとっておきましょう。「実はハッタリでした」というパターンも無きにしもあらず、ですので。

現車確認

さて、第一回戦、来店しての現車確認です。

新車の場合はディーラーにおもむき、同型車両の展示車や試乗車を、中古車の場合は、現車を確認します。

新車の場合は実際納車される車両ではないため、参考程度に見る位で十分でしょう。

ですが、中古車の場合は実際納車される車両なので、入念にチェックを入れましょう。

全てのドアの開閉によるがたつきの有無

車体が「歪んでいないか」の目安になります。

電動スライドドアがある車両は、開閉スピードが一定か

電動モーターに異常がないかの目安になります。スライドドアのレールに異物がないかも判断できます。また、オートドアクロージャーが正常に作動しているかもチェックします。

ミラーを畳む時、左右同時か

もし、片方が畳みきっていても、もう片方が遅れて畳まれるようであれば、交換、若しくは修理されている可能性があります。

ミラーの角度調整は左右正常か

角度調整のコントローラーは、車種によっては断線し易い場所にあるものがあります。前オーナーがクルマいじりが好きな人の場合、断線させてしまっているケースも多いです。

ドアのスキマが左右おなじくらいか

ドアの開閉同様、車の「歪み」の目安になります。

タイヤの残り溝はどのくらいか

車検切れの車両で、溝のあるタイヤに交換して車検を通し、納車されたタイヤが見た時と違いスリップサインぎりぎりという悪質なケースが実際ありました。

今は民法第570条で「不正」や「隠れた瑕疵かし」があった場合は、売主に責任が問われ、場合によって買主は契約を解除する事ができます。

これは危険に直結し得るものですから、写真を撮るくらいしておいても良いかもしれませんね。

シートのシミや損傷、可動部の不具合はないか

車内の写真は画素数が良くても肉眼でしか確認できないものも多くあります。

シミや焦げ跡などはその代表で、シミの除去や焦げ跡、可動部の修復を交渉材料にすることができます。

「対応してくれるなら、試乗して契約、対応できないなら、その分値引き」といった感じで交渉し、もし「この状態での価格です」などと突っぱねられたら、担当の上司(できればその販売店の店長)を呼んでもらい、粘り強く交渉してみましょう。

(注意)この手の交渉は決め手になるカテゴリーですので、最後にとっておくことをお勧めします。

写真では見えない傷やへこみはないか

これも上記同様、写真ではわからない傷やへこみは交渉のネタになります。最後にとっておきましょう。

車内に異臭はしないか

実際その車に触れてみないとわからないものの一つが「臭い」です。

タバコの臭いやエアコン臭も気になりますが、これらは後からでも対策ができるものです。

最も重篤な臭いが、魚の腐敗臭が混じった悪臭です。

これは「水没した車」であることを如実に物語っています。

シート、マット類を外して丸洗いしても取り切れるものではありません。

いくら状態が良く、魅力的な物件であっても購入を見送るべきポイントとして押さえておいて損はないでしょう。

ガラス窓にすれ傷や飛び石はないか

フロントガラスやドアのガラスに傷や飛び石あると気になりますよね。

自動車のフロントガラスは、ガラスとガラスの間に「可塑化かそかポリビニールブチラール」という樹脂を挟み込んだ三層構造になっており、この装着が法律で義務付けられています。

擦り傷程度なら販売店の方で対応してもらえるかもしれませんが、飛び石となると、補修リペアが必要になってきます。

傷が小さければ市販されている補修キットでキレイに仕上りますが、大きい傷(俗に言う牛目)は補修不可の場合が多く、車検が通らず要交換となり、10万円単位の費用がかかります。

ただ、市販の補修キットが粗悪品の場合、気温の変化で再度ヒビが入るというケースもあるので、販売店に相談してみる価値はあるでしょう。

付属のカップホルダーなど、華奢な部品に損傷はないか

華奢きゃしゃなものはプラスチック製のものが多く、それらは経年劣化で折れたりしますが、わずかな不注意でも破損してしまうものです。

後付けのカップホルダーは壊れたとしても替えが効きますが、付属のものを交換となると、ディーラーに問い合わせて部品を発注してもらい、取り付けも自信がなければディーラーや業者に依頼する事になり、結構手間暇かかる上に高くついてしまいます。

もし損傷があるなら、使わずに市販のものを使う方が良いでしょう。「これも瑕疵だ!」なんて言うのは、さすがにフェアじゃないような気がします。(法律上は瑕疵です)

エンジンをかけた時のアイドリングは安定しているか

エンジンを始動させます。

その時のセルスターターの音、アイドリングの音は正常かを見ます。

不自然な場合は販売店に是正を請求できます。

アイドリングの振動は微細か

エンジンの振動の大きさを見ます。

トラックのような振動がある場合は、エンジンマウント(エンジンの土台にセットされている緩衝材)がへたれている可能性があります。

販売店に直してもらいましょう。

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